Love between childfood friend （m.j） (ページ43)

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jun side

大会が終わってから、バイトを始めた。
前からAと食べに行っててAの好きなパスタがあるお店。

店のスタッフはほとんどが男性。
スタッフが男性メインだからか客層は女性が多い。

厨房募集だったから、俺にピッタリな気がして申し込んだら合格になった。Aにバイト受かったことを伝えたら喜んでくれた。

女性客が多いからバイト先には絶対1人では来させないようにさせた。
それに男スタッフばかりの時もあってその人たちの目線がAにいくのが嫌だったってのもあった。

バイトしだしてからAが初めて店に来た日。

店長『今、ホールに松本くんの彼女来てるよ。』

『え？』

2人で来る時に店長が接客してくれてたからAの事も覚えてくれていて、ホールを見るとAとニノと奈々が入り口近くに座っているのが見えた。

『オーダー俺が行ってもいいですか？』

店長『いいよ。』

オーダーを取りに行くとチラチラと俺を見ているのが面白くて…後でオレンジジュース持ってこうって考えた。

Aはここのクリームパスタが好きでほぼ毎回食べてるから、確認したら今日も同じで。

厨房ではサラダやピザ、仕込み、皿洗いでパスタは自分の賄い作る時にやらせてもらうくらいだったけど、店長に相談したらオッケーもらって作った。

俺が作ったパスタを美味そうに食べてるのを見ると、やっぱりその瞬間が幸せな時間になった。

バイト終わって待っててくれたAとニノや奈々の元に。

『おまたせ。』

「お疲れさま。」

ニノ『Aちゃん、潤のことチラチラ見てたよ。』

「ちょっとカズくん！！」

揶揄われながら店を出て、ニノと奈々と別れて二人きり。

『A？』

「なに？」

『あんま来るなって言ったけど…またおいで。』

「うん！」

誰かが自分の作ったものを幸せそうに食べるその瞬間に出会えること。
この夢に進もう…そう思わせてくれる存在に嬉しくなった。

それから、季節がまたひとつ過ぎ…それぞれの進路に向けて動き出した。

俺は調理の専門学校に進むことに。

Aは、保育士学科のある短大への進学を決めた。

『え？合否の日ってイブの日？』

「そうなんだよー…落ちてたらどうしよ。」

『何で落ちた時のこと考えんの。
受かった時にしろよ。』

「だって、手答え半分なんだもん。
お兄ちゃんに教えてもらったのに…。」

『ならさ、どっちだったとしても気分明るく旅行しよっか？』