お迎え ページ32
5歳の時、おばさんが私を迎えに来た
「A…怖かったでしょう、もう大丈夫だから……一緒に帰りましょう」
私はその時何も理解出来ていなくて、父と母が死んだなんて微塵も思っていなかった
おばから説明されて、冷静ではいられなくて
もう二度と会えないなんて思わなかった
『うっ…ひっ……』
ずっと泣いてて、しんどくて。でもそんな時、亮ちゃんが現れた
阿「初めまして、俺は亮平。お兄ちゃんだと思って甘えてきていいからね」
一目見たときから、この人が私を幸せにしてくれるんだって思った
優しくて、かっこよくて、私を大切にしてくれる人
亮ちゃんが大好きだった
『これやだ!!けして…!!!』
「え?でも亮平頑張ってるわよ??」
『女の子がいっぱいいるもん!!』
「あらあら、Aは亮平が大好きなのねえ」
どんな時も亮ちゃんは私を裏切らなかった
私を悲しませることなんてなかった
『大人になって私の気持ちが変わってなければ結婚するって言ったの』
佐「!」
『…それに本気になって、好きだって思い続けて。……でもこの気持ちは亮ちゃんの言うとおり、違ったのかも』
佐「…好きって色んな形があるよねえ。家族とか、友達同士とか、異性への好意とか…Aちゃんはさ、今阿部ちゃんへの気持ちがわかんなくなってるんだよね?」
『うん』
佐「あの写真の件は本当に大丈夫だから。1回Aちゃんはまた普通に阿部ちゃんと暮らして…気持ちを伝えた上で、一緒に過ごしてみるのもいいかもね」
『……亮ちゃん、嫌じゃないかな』
佐「嫌なわけないじゃん!!あんなにAちゃん大好きなのに…そろそろ多分」
ピンポーンッ 佐「あ、来た。行こ!」
『?』
ガチャッ
佐「はやかったね〜」
阿「はぁ…はぁ……A!」
『!亮ちゃん…』
阿「…色々言いすぎたって反省してる。……一緒に帰りませんか?」
『………うん』
阿「良かった。佐久間、ありがとね」
佐「また今度何か奢れよ!Aちゃん、またね」
『…ありがとう』
汗かいてる
…走って来てくれたのかな
……佐久間も、走って来てくれた
阿「A、ごめんね」
『!…………あはは、亮ちゃんがそんなに落ち込んでるの初めて見たかも。…私もごめんね。帰ったらまた話したい』
阿「!うん」
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作者名:ふらり | 作成日時:2023年3月21日 11時