タラシ ページ22
『おはよう〜………って、亮ちゃんいる！？』
阿「あけましておめでとう！さっき帰ってきたんだ」
「おはようって、もう昼よ？」
『え、えへへ…お腹空いた〜』
阿「Aのおせちも取り分けてあげるね、何でもいい？」
『うん！ありがとう…！！』
何でも、とか言いながら私の好きな物ばかり取ってくれるんだよなあ
『あ、そうだ…見たよ、昨日の紅白。楽しそうだった』
阿「！良かった」
…亮ちゃんの喜ぶ顔が好き
楽しそうな顔が好き
『…美味しい！』
阿「ね！A昔は数の子とか嫌いだったのになあ」
『…あはは、大人になっちゃった！』
こうやって言われる度、私は絶対的にこの人の妹なんだと思わされる
阿「そういえば…Aは初詣誰かと行く？？」
『え？お兄ちゃんとお母さんと…お父さん？』
阿「そうだよね」
「…兄貴はいつ行くわけ？」
阿「人が少なくなってきた頃に行こうかなと思ってる」
『！』
「ふーん、1人？」
阿「そうだね…佐久間も先輩と行くって言ってたし。みんなは明日行くんだろ？」
『！！！』
「1人は寂しそうだな」
『わ、私が一緒に行く！！！』
阿「！ううん、俺のことは気にしないで。みんなで一緒に行った方が楽しめると思うし」
『行きたいの！！！…亮ちゃんが嫌だったら、あれだけど…』
阿「嫌なわけないよ。嬉しい、一緒に行こう」
『！うん…！！！』
「Aのこと応援してるの？？」
「いや、どうなんだろうと思って。佐久間寄りっぽくね？でもあの反応見たらやっぱそのままなのかなあとか思ったり」
「亮平がタラシなのよねぇ。Aは……気持ちを再確認出来たらいいんだけど」
『亮ちゃん…！明日、こっちとこっち、どっちがいいと思う？！』
阿「もう選んでるの？！」
『女の子は大変なんだよ！亮ちゃんどっちが好み？？』
阿「右かな。でも寒そう…」
『大丈夫！私、寒さに強いから…！！コートも着るし！！開門時間に合わせて行くんだよね？』
阿「うん、大丈夫？？」
『余裕！亮ちゃんは髪巻かない方が好きなんだっけ？』
阿「そうだけど…そんなに俺の好みに合わせなくても！」
『そ、うだけど』
でも…好きな人の好みに合わせたいと思うんだよ
阿「Aはどんなのでも可愛いよ」
『！…うん』
こういうところがずるいんだよ…
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作者名：ふらり | 作成日時：2023年3月21日 11時
