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朝､何の気なしにテレビを見ていると､流れてきたニュースに思わず立ち上がった｡
そしてすぐに足を進めてノックもせずに部屋に入り､近づいて目の前に立った｡
『大我｡』
『あ､樹｡おはよう｡』
『聞いてない｡』
『は??』
『聞いてないぞ｡』
『何の話??』
『ショーってなに??』
そう言うと分かりやすいようにきょもの眉が下がった｡
さっき見たニュースはきょもが一年半ぶりに個人のデザインした服をお披露目するショーが開かれるというものだった｡
『...樹｡』
『隠せると思ってたのか??』
『言うつもりだったんだ｡』
『でも､聞いてない｡』
『それは､』
きょもはそこで言いかけた何かを飲み込むように口をつぐんだ｡
『...やりたいんだ｡』
『...｡』
『...出来ることは､出来る内にやりたい｡』
『それで無理が重なって倒れたりしたら､元も子もないだろ｡』
『...それでもやれるならやりたいんだよ｡』
『それが周りに何も言わない理由にはならないだろ｡』
『...言ったら賛成してくれた??』
『言わなかったら､俺たちの誰も何も知らずにきょも一人で苦しむことになるだろ｡』
『...俺は俺の人生を生きてるんだ｡』
『その言い方､』
『...樹には分からない｡』
『...っ..｡』
『...分かってても､譲れない想いがあるんだ｡』
『俺はきょもが心配で､』
『...心配してくれなんて､頼んでない｡』
そう言われた瞬間に考えるよりも先に行動してしまい､俺はきょもの胸ぐらを掴んでいた｡
『...頼まれてないよ｡俺が勝手にそうしてるだけ｡それでもその言い方はないだろ｡』
『...っ..｡』
『俺が､高地が､北斗が､ジェシーが､慎太郎が｡それぞれの想いを抱いて､それぞれがお前を想ってここに居る｡』
『...っ..｡』
『...お前の想いはお前のものだ｡人生だって､大我の生き方で生きていくべきだ｡』
『...っ..｡』
『...それでも｡大我が苦しんだり耐えている姿を､黙って見てるなんてできない｡』
『...｡』
『...お前だって俺を分かってない｡』
そう言うときょもの手が俺の手に重なった｡
そしてゆっくりときょもの胸ぐらから手が離されていき､見つめているときょもは切ない眼差しで見ていた｡
『...樹､ありがとう｡』
『...｡』
『...でも､ごめん｡これだけは譲るつもりはないんだ｡』
そう言ってきょもは俺の横を通り部屋を出ていった｡
ドアの開閉の音が聞こえた瞬間､力が抜けていき
俺はその場に座り込んだ｡
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あい(プロフ) - コメント失礼します。泣けました。これからも頑張ってください！！ (2019年1月13日 6時) (
レス) id: 20d8e8453e (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 素晴らしい作品をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2019年1月1日 2時) (レス) id: fd962043f2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - とても面白くて読み応えあります！更新が楽しみです！ (2018年11月29日 21時) (レス) id: 58ad9659bb (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - とても素敵な作品で更新楽しみにしてます！応援しています！ (2018年11月21日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 大我大好き！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2018年11月17日 4時) (レス) id: cd27931c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2018年11月14日 10時
