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仕事を終えて外に出ると雨が降っていた｡
どうしようかと考えていると近づいてくる青い傘が見えた｡
目の前で立ち止まり見えた顔に目を見開いた｡
『...京本｡』
『傘､持っていかなかったでしょ??』
『...それはそうだけど｡』
『たまには､北斗の役に立ちたいじゃん??』
そう言われて俺は深く息を吐いた｡
そして一歩前に出て傘の中に入り､手を伸ばして傘の手元を持った｡
『...帰ろう｡』
そう言って歩き出すと京本も続いて歩き出してくれた｡
『ねぇ､北斗｡』
歩き始めてから俺たちが間には会話はなく､耐え兼ねてかそう呼んできた｡
『怒ってる??』
『なんで??』
『何となく｡』
そう言われて俺は深く息を吐いた｡
『...怒ってない｡』
『もしかして､心配かけてる??』
そう言われて俺は立ち止まり京本を見た｡
『...北斗??』
『...心配ならいつもしてる｡』
『...｡』
『...いつもしてるから｡』
そう言うと京本は少し微笑んだ｡
『...ふふ｡』
『...なに｡』
『ううん｡』
『...言って｡』
『怒らない??』
『...内容による｡』
『じゃあ､言わない｡』
『...怒らない｡』
そう言うと京本は優しい表情で俺を見つめてきた｡
『...変わらないなって思った｡』
『...｡』
『...北斗､ありがとう｡』
『...っ..｡』
そう言った京本があまりにも綺麗で､俺は言葉に詰まってしまい俯いた｡
『...そういう所なんだよ｡』
『何か言った??』
俺の小さな呟きは京本には届いていなくて､小さく息を吐いた後で顔を上げた｡
『風邪､引かれたら樹に怒られるから帰ろう｡』
『はいはい｡』
歩き出す足は少し軽くなり､隣を歩く京本との距離もあの頃に戻った気がした｡
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あい(プロフ) - コメント失礼します。泣けました。これからも頑張ってください！！ (2019年1月13日 6時) (
レス) id: 20d8e8453e (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 素晴らしい作品をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2019年1月1日 2時) (レス) id: fd962043f2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - とても面白くて読み応えあります！更新が楽しみです！ (2018年11月29日 21時) (レス) id: 58ad9659bb (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - とても素敵な作品で更新楽しみにしてます！応援しています！ (2018年11月21日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 大我大好き！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2018年11月17日 4時) (レス) id: cd27931c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2018年11月14日 10時
