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夜中､目が覚めてしまい水を飲みに行こうと部屋を出ると音が聞こえた｡
小さな音だったがこれだけ静かな室内には十分すぎるくらい響いていて､物音が聞こえたキッチンの方に向かうと一人の男が俯いて座っていた｡
『京本!』
そう呼んで目の前にしゃがむと顔が上がり口元に指を立てた｡
『...北斗｡みんな起きるから｡』
『そんなこと言ってる場合じゃない｡』
『...大丈夫､大したことないから｡』
『...こんなに汗かいて??』
そう言って服の袖で額から流れている汗を拭った｡
『...汚れる｡』
『黙って｡』
『...もう､治まったから｡だから､』
少しずつ言葉を発する京本に切なくなり､そっと手を伸ばして頬に触れた｡
『頼って｡』
『...お前が泣きそうになるなよ｡』
『仲間だろ??一緒に暮らして､支え合うって決めた｡』
『...｡』
『...俺らそんなに話さないけど､黙って見過ごせるほど薄情じゃない｡』
そう言ってしばらく見つめていると京本が深く息を吐いた｡
『...俺､超ウザいよ??』
『知ってる｡』
『...迷惑かける｡』
『それは俺が決めるから｡』
『...離れないよ??知らないからな??』
『あぁ｡』
そう返事をすると体を前に倒してきて､俺の肩に額を当ててきた｡
『...嘘ばっか｡』
『...後輩だろ｡』
『関係ない｡』
そう言って俺は京本の背中に手を回し､ゆっくり上下に摩った｡
『...痛い??』
『...もう､どこが痛いのか分からない｡』
そう言われて俺は摩る手を止めずに自分の方に引き寄せた｡
『...北斗､』
『謝らないで｡』
そう言って俺は京本が落ち着くのを側で支えた｡
しばらくすると京本が離れていき､俺は視線を合わせた｡
『戻る??』
『...ん｡』
『一緒に行く｡』
そう言って京本の脇を支えて歩き出し､部屋に入れてベッドに寝かせた｡
『...ありがとう｡』
『何かあったら言って｡すぐに駆け付けるから｡』
『...ん｡』
そう言われて俺はベッドの端に座り､布団をかけ直した｡
『自分のことだけ考えてればいい｡』
『...｡』
『ゆっくり休んで｡』
そう言って俺は京本の腹の辺りに手を伸ばしてトントンっとあやすように叩いた｡
少しの間そうしていると眠ってくれて､腹から髪の方に手を移動させた｡
『...大我｡』
久しぶりに呼ぶ名前を口にして､俺は髪を撫でた｡
『...俺たちが居る｡だから､我慢なんかしなくていい｡』
そう言って俺は京本の寝顔を少しの間だけ見つめてから､部屋を出て自室に戻った｡
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あい(プロフ) - コメント失礼します。泣けました。これからも頑張ってください！！ (2019年1月13日 6時) (
レス) id: 20d8e8453e (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 素晴らしい作品をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2019年1月1日 2時) (レス) id: fd962043f2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - とても面白くて読み応えあります！更新が楽しみです！ (2018年11月29日 21時) (レス) id: 58ad9659bb (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - とても素敵な作品で更新楽しみにしてます！応援しています！ (2018年11月21日 23時) (レス) id: 46ec5817d4 (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 大我大好き！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2018年11月17日 4時) (レス) id: cd27931c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：seri | 作成日時：2018年11月14日 10時
