ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

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「彼、結構ミーハーで…」

宏太「ほぉ」

「この女優さん、アイツがめっちゃ可愛いって言ってたとか、時々聞くし。アイドルの歌も妙に詳しいし」

宏太「ふーん」

「可愛い子が好きって時点でもう…彼自身が王子様みたいな人だから、私じゃ釣り合わない」




変な顔で一時停止してしまったとはいえ、桁違いに可愛いあの女優さん


あんな顔だったら…




宏太「…ふふ」


宏太さんが目尻を下げて私を見つめた。




宏太「十分釣り合うと思うんだけど…まぁそういうこと言う人は何を言ったってダメだからな」


小さな声で何かぶつぶつ言ってから、すこし前のめりになった。



宏太「Aちゃん、そう思うならまずできることをしてみたら？」

「できること…？」

宏太「要は自分磨きだよ。メイク、ファッション、とにかく磨けるところを磨いておく。まず、ほんの少しでも自信をつけよう」




意外とシンプルな回答に拍子抜けしていたら、宏太さんの目つきがすこし変わったのを感じた。




宏太「…ちなみに、全く脈ナシなのかな？何か気になった出来事とかないの？」

「気になった……あ、……この間、手を繋がれました」

宏太「ほお〜…ということは、海に行ったときとか？どういう流れ？」

「みんなと離れて一人で歩いてたら、追いかけてきてくれて…虫除けだ、って言ってました」

宏太「…虫除けねぇ、」



宏太さんがそれはもうとろけそうな笑顔をした。



宏太「……よし、おじさんがさっきより少し大人なアドバイスをしよう」

「大人？」

宏太「そっ。…ズバリ、恋愛には駆け引きも必要ってこと」

「そ、そんな、駆け引きなんて…」

宏太「少しその男を焦らせないとダメだし、スイッチを入れてあげないとなぁ」



さっきの自分磨きの話はどこへやら

ずいぶん上級者向けの指南にシフトした気が…




宏太「少し色気を見せてドキッとさせるとか。……あれ、いまのご時世だとこの発言もセクハラに入ったりする？」

「いえ、大丈夫だと…」

宏太「そ？まぁとりあえず、彼のオオカミ的一面を引き出してみたら？」

「で、でも！…彼、恋愛に関してはあまり貪欲じゃなさそうというか…」

宏太「ふふ、そう思うでしょ？」

「……？」

宏太「そういう男ほど、欲深かったり、溜まってたり、変な癖があったりするんだよ」

「へ、へんな、ヘキ…」

宏太「あ、今度こそセクハラだね？」




少し刺激的な宏太さんの恋愛論


私に実践できるのか…？

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