ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

． ページ42

．




「ずっと友達だと思ってた人がいて」

宏太「うん」

「友達……以上、というか。楽しいことも悲しいことも、真っ先に伝えたいのはその人で」

宏太「うん」

「最近、その人のこと好きなんじゃないの、って友達に指摘されたんです。それからもう…」

宏太「…意識しちゃうんだ？彼のこと」



コクリと頷くと、宏太さんは頬杖をついたまま

斜め上のあたりをぼんやりと見つめた。






宏太「……好きなんじゃない？」




写真の中に写る男子は4人



簡単に対象者がはじき出されてしまいそうな、というよりもはや気づかれているかもしれないという気まずさの中


宏太さんは物凄くストレートにそれを言った。




宏太「それはね、好きなんだと思うよ」

「……」

宏太「問題は、Aちゃんがどうしてそれを素直に認められないのかってところだと思う」





私の気持ちを知ってるのは私だけのはずなのに、





宏太「そしてその原因はね、おじさんが思うに、自信が無いからかなって」




最近は専ら、他人の方が私のことをよく理解している気がする。



宏太さんの言ったことは多分、図星だ。





目に見えるようなバッドエンドが怖い。






あの日助けてくれたこと、


手を繋がれたこと、




自惚れようと思えばいくらでもできるはずなのに、それに過信して痛い目を見るのが怖い。




自分の見た目も中身もすべて、

好きになってもらえる自信なんてない。


．

．→←．

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す