ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

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涼介side






涼介「…なんで？」




ちょっと意外だった。


そういうことに首を突っ込むようなタイプだとは思ってなかったから。




まぁでも、なんとなく伝わってはくる。



面白がってるとか、興味があるとか、そういう感じではなさそうだ。




さて、肝心なのは

何でそういう話題が出るのかなんだよ。






知念って分かりやすそうで分かりづらい。

俺らの集まりに初めて参加した人間が、知念の振る舞いを見て突然そう思うか？



だったらもう、
Aが彼女たちにそういう話をしたとしか思えないわけで。





涼介「…なんでそう思ったの？」


かまをかけた、つもりだったけど



まったく怯む様子無し。なんだこの女、恐ろしい。



結愛「女の勘」

涼介「へぇ」




……おもしれぇ。そっちがその気なら、




涼介「…じゃあ逆に質問。
Aは知念のこと好きなの？」




これでどうだ！
してやったりな気分で荒川を見たら、なぜか微笑まれた。





結愛「なにこれ、心理戦？」




…なんだよ。


不意打ちの笑顔に、一気に気が緩む。



そして




結愛「知念はAにとって特別な存在なんじゃないかな、と私は思ってる」




なんだか上手いこと返されたような。


とりあえず俺は、それを俺の良いように解釈することにした。





そして、フェアじゃないのは男として気に入らないから



涼介「知念にはさ、恋愛におけるポリシーがあんだよ」

結愛「ポリシー？」



俺からも、ヒントを。



涼介「うん。気になる相手と半年以内に進展が無かったら、諦める」

結愛「うわ、どんくさっ」

涼介「だろ？だけど、Aは半年なんて余裕で超えてる」

結愛「Aが気になってる相手なのに、ってこと？」

涼介「…さぁ？」

結愛「…まぁでも、友達のカテゴリーになっちゃってるのかも」

涼介「そうね？
…まぁあとは、知念はお嬢気質なわけだけどさ」

結愛「男からも甘やかされてるよね知念って」

涼介「そう。が、しかし。Aに対する知念には、男らしさがあんだよ」

結愛「…ふーん」




ヒント出しすぎ？


というか、俺も正解知らないんだけど。




涼介「お気に召したかな？俺からのプレゼンは」

結愛「ふふ、なかなか良かったんじゃない？」





さっきまでの気まずさは何処へやら。



楽しげに話す俺たちに、戻ってきたひかは目を丸くしていた。

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