ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

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花「おまたせしましたー！」



わーいって駆けてく花ちゃんと、相変わらずマイペースな結愛の後ろに隠れて戻ると、


パラソルやレジャーシートのセッティングがほぼほぼ済んでいた。






光「おー！みんなかわうぃーね！！」

大貴「やっぱいいね、女の子いると！！」



ひかも大ちゃんも根っこは人見知り気質なのに、テンションが上がっているせいかチャラサークルみたいなノリで


海ってこんなにも人を変えるものか？って、ちょっと笑えてくる。





花ちゃんはそのままひかたちに混ざって、ビーチボールや浮き輪を膨らませ始めた。


彼女のコミュ力の高さにも脱帽させられっぱなしだ
。



．


涼介「なんだお前、意外と胸あんだな」

「な、！」



楽しそうにほっぺたを膨らませる花ちゃんを眺めていたら、


涼介が私のことをまじまじと見ながら、真顔を向けてきた。




王子様みたいな見た目のくせに、おっさんみたいにデリカシーないことを…！



結愛「山田、それセクハラ」

涼介「え？褒めたつもりだったんだけど」

結愛「イケメンのくせに意外と女心わかってないんだね」



痴話喧嘩を始めた2人を横目に、妙に緊張しながらちーちゃんを見たら


ばっちりと目が合ってしまったのだけれど、




なんだかちーちゃんの目も泳いでいるように見えた。




侑李「…Aっぽくていいんじゃない」

「え？」

侑李「水着」

「あ…うん、ありがとう」

侑李「……可愛いよ。」

「…えっと、水着が…？」



私のトンチンカンな質問に、ちーちゃんが小さく吹き出す。


侑李「そこは追求しなくていいんじゃない？」

「あ、えへへ、ごめ…」



侑李「…どっちもだよ」


「え、？」



胸の真ん中らへん、
誰かにつままれたのかと思った…ぎゅうって。





余裕そうに微笑んだ後、ちーちゃんは涼介を引っ張ってひかたちの方に行ってしまった。




今のが空耳じゃないことと、私の都合の良い解釈でいいのかっていうことと、


確かめたいことが多すぎて思わず結愛の方を見たら、私の感情を代弁しているような、口元を緩ませたなんとも言えない表情をしていた。

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