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侑李「いらっしゃい」
玄関に上がるとすぐに、ふわっと甘い香りが広がっているのを感じた。
「ん?いい匂いする」
侑李「お昼食べた?」
「んーん、まだ。朝昼兼用だったから、ちょうどなんか軽く食べようかと思ってたところ」
侑李「お、よかった」
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小さなローテーブルに並べられた2枚のお皿
その上に、ちょっぴり歪なホットケーキ。
侑李「生産しすぎましてね」
「なるほどです」
侑李「多分食べれるものにはなってると思う」
「……ちーちゃんが食べてから食べる」
侑李「僕に毒味をさせるとは、さては信用してないな?」
おどけながら、左手で持ったフォークで少し緊張した面持ちで生地を割る。
ぱくり、もぐもぐもぐ…
最初中心に寄っていた眉が、今度は上にぎゅっと上がった。
侑李「…いける!」
「ほんと〜?」
私も彼にならって端っこを切り取って、それをそのまま口に運ぶ。
「んん!おいしい!」
侑李「ね?」
嬉しそうに笑いながら、次の一口を切り取っていく。
「それにしても、円形というより楕円形だね」
侑李「味が良ければ問題ないでしょ」
「ちーちゃんの不器用さが出てていいと思うよ?」
侑李「さっきから人のことバカにしすぎ」
歪な楕円形に乗せられたバターが熱で溶かされて、メープルシロップと混ざっていくのが、なんだかまた食欲をそそる。
侑李「で、お泊まりは楽しかったの?」
「あ…うん!楽しかった、すごく」
そのワードを出されると、ついでにあの話も思い出してしまうから困る。
明らかに目が泳いでしまった気がするけど、気にしたら負けだ。
「夜な夜な色んな話して、楽しかったんだぁ。今日花ちゃんが午前中からバイトだったから、遅めの朝ごはん食べて解散したんだけど」
ちーちゃんを見たら、やっぱり優しい笑みを浮かべていた。
侑李「……あ、そうだ」
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侑李「これこれ」
何か思い出したように台所に戻ったちーちゃん。
その片手には、ミツバチと花のイラストがプリントされた可愛らしい瓶があった。
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きゃめる(プロフ) - めちゃくちゃお話好きです!!!更新大変だと思いますが、頑張ってください!応援してます(o^^o) (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4f69638b1d (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - こんにちは、知念担です! (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4f69638b1d (このIDを非表示/違反報告)
陽月(プロフ) - 追伸、私はがっつりリア恋枠ですが、全然想像とかけ離れてなんかないですよ!相手や周りには「え?僕は別に」って隠すけど、微妙に隠しきれてなかったり、陰で悶えてるとか、どちらかと言うと、正に!って思いました(^^)パート2も楽しみにしてます!! (2018年8月21日 21時) (レス) id: a2dda5cfec (このIDを非表示/違反報告)
陽月(プロフ) - ぐあぁーー!ちーちゃんの、し・た・ご・こ・ろ!!(もっと頂戴)← 変態大歓迎です!← って、本当にほぼ毎回コメントしてしまってますが、どうしてもこの興奮と感謝を伝えたくてですね!ウザかったら言ってください 笑 次のお話まで悶えて待ってます← (2018年8月21日 21時) (レス) id: a2dda5cfec (このIDを非表示/違反報告)
hy8(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!既にちーちゃんに悶えてるのに、これからのちーちゃんがたのしみすぎて今後じぶんがどうなっちゃうか若干心配です。笑 更新がんばってください!楽しみに指咥えてまってまーす! (2018年8月21日 20時) (レス) id: b2e047b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作成日時:2018年7月21日 21時