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「みんな揃ったな」
ちゃんと全員分のお茶を出してから、ひかはゆっくりとあぐらをかいた。
「はぁ…」
「…溜息ついてないでさっさと本題いこう」
「…はぁ〜…」
「ひか、山田の話聞いてた?」
「ちょっと待ってくれ、話すのも辛くて…」
「じゃあ心の準備ができたらまた呼んで」
「わかったわかった、おふざけはここまでにするから!」
立ち上がろうとしたちーちゃんを制止して、苦笑いのひか。
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「えーっとさ……振られちった」
…
途端に流れ出す重たい空気。
「え、なんで?」
一番最初に口を開いた大ちゃんは、誰よりも切ない顔をしていた。
「それがさ…」
「うん」
「変な髪の色の男は嫌いなんだってさ」
項垂れるひかに、思わずみんなで顔を見合わせる。
え?なにこれ?
笑っていいやつ?だめなやつ?
笑っていいやつじゃない?
いやだめでしょ!
堪えきれず口元が緩み始めたちーちゃんに、ダメ!って首をブンブン横に振ってみせたら、困ったように眉を下げた。
「えっと…それで髪の色が落ち着いたわけね?」
「私、今の髪色の方が好きだよ!かっこいいよ!」
お前バカか!って向かい側に座る涼介に口パクされた。
ちーちゃんが隣でクククって肩を震わせている。
「あぁえっと、違うの、そういう意味じゃなくて」
「ていうかさ、確かに金やらオレンジやらピンクやらしてたけど、そんなんで振る?」
「たしかに。本当は違う理由があったのかも」
「え、例えば?」
「女子力高すぎるとか?」
「男らしさに欠けるってことか…笑いには貪欲だけど草食系だしね」
「頭悪いからじゃない?」
「知念よそれはもう悪口だな」
「あぁあと潔癖なとことか!細かすぎてうんざりしたとか?」
「……うぉぉぉぉい!!!お前らいい加減にしろぉぉ!!!」
叫びながら、両手を広げて大の字で寝そべった。
真顔で天井を見つめているのが何だかとてもシュールだ。
「黙って聞いてりゃ……俺は慰めてほしくて呼んだんだぜ…これじゃ俺の悪口大会じゃねぇか…」
「わりぃ!つい楽しくなっちゃって」
「とりあえず起き上がろうか」
なんだかコメディーな雰囲気になってるけど、実際心底傷ついてるんだろうなと思う。
だって、奥手なひかに久々にできた彼女だもん。
仲良くやってると思ってたんだけどなぁ…
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きゃめる(プロフ) - めちゃくちゃお話好きです!!!更新大変だと思いますが、頑張ってください!応援してます(o^^o) (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4f69638b1d (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - こんにちは、知念担です! (2018年8月27日 1時) (レス) id: 4f69638b1d (このIDを非表示/違反報告)
陽月(プロフ) - 追伸、私はがっつりリア恋枠ですが、全然想像とかけ離れてなんかないですよ!相手や周りには「え?僕は別に」って隠すけど、微妙に隠しきれてなかったり、陰で悶えてるとか、どちらかと言うと、正に!って思いました(^^)パート2も楽しみにしてます!! (2018年8月21日 21時) (レス) id: a2dda5cfec (このIDを非表示/違反報告)
陽月(プロフ) - ぐあぁーー!ちーちゃんの、し・た・ご・こ・ろ!!(もっと頂戴)← 変態大歓迎です!← って、本当にほぼ毎回コメントしてしまってますが、どうしてもこの興奮と感謝を伝えたくてですね!ウザかったら言ってください 笑 次のお話まで悶えて待ってます← (2018年8月21日 21時) (レス) id: a2dda5cfec (このIDを非表示/違反報告)
hy8(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!既にちーちゃんに悶えてるのに、これからのちーちゃんがたのしみすぎて今後じぶんがどうなっちゃうか若干心配です。笑 更新がんばってください!楽しみに指咥えてまってまーす! (2018年8月21日 20時) (レス) id: b2e047b4f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作成日時:2018年7月21日 21時