ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

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光「集まったな」


よしよし、って満足げに笑うひか。



涼介「で、どうせあれだろ？」

光「ったりめぇよ！モテモテ大作戦！」


心底めんどくさそうな表情の涼介に御構い無しで、ひかは話を続ける。



光「目標を掲げたはいいけど、それだけじゃ無意味だからさ。定期的に報告会でもしないとな」

涼介「報告もなにも、何にもしちゃいねぇよ俺は」

光「はぁ！？てめぇそれでも男かよ！」


ふざけて胸ぐら掴んでくるひかに、なんだかんだ「やめろやめろ！」って楽しそうな涼介。



光「ちなみに俺は、最近ネットを開いては恋愛のイロハを学んでいる」

侑李「そんなことよりも本業の勉強しなよ、大学生」

光「やめろ、現実突きつけんな」

大貴「ねーねー、俺思ったんだけどさ。努力もなにも、まず好きな人ができそうにない」


彼の意見に、みんなぶんぶん首を縦に動かす。激しく同意。


光「んあー、もうあれか、出会い求めに行かないとだめか」

涼介「大学内でナンパでもするか？」

大貴「相席居酒屋とか？あんまし行きたくないけど」


．


「…あの、さ」


黙り込んでいたせいで地味に目立っていたのか、私の声にすぐさま反応した4人。


「私が言うのもなんだけど、みんなすごくカッコイイと思う。こっちから声かければ一発だぞ！ってくらい」

光「なんだよ急に。照れんじゃねーか」

「実は告白だって、何回もされてたりして…」




…誰だ誰だ、

互いに探り合うような視線。




……私はすべて知っている。

こいつら全員、ふつうにそこそこモテやがる。



「それでも彼女ができないってことは、みんなちゃんと真剣に相手を選んでるから、結局好きになれる人がいないわけで。それを急いだところでさ…なんて、思ったり、」

侑李「…うん、僕もそう思う」



なに語ってるんだ私、って怯み始めたところで、助け舟を出してくれたのはちーちゃんだった。



侑李「まぁ、夏の終わりまでに恋人つくるっていうのはあくまで夢。そこまでの努力を重視して取り組めばいいんじゃないの、この夏は」

涼介「お、まとめ上手。一番やる気無いくせに」

大貴「ていうか夏の終わりってどこが基準？」

光「え、寒いなぁと思ったら…とか？」

侑李「やっぱり馬鹿」



こうして夏休み早々目標が緩々になった私たち。



だけど、言霊信仰…的なあれなのか。


この夏、思わぬ恋が始まることなんて、誰も予想しちゃいなかった。

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