ハニーシロップと夏怪獣（Yuri.C）

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侑李「Aさん、夏休みのご予定は？」



夏休み開幕早々、退屈で隣の家にお邪魔していた。


別に何をするでもないんだけど、誰かと一緒にいる方が心が荒まないというか…
1人で引きこもってると虚しくなってくるから。



「これといってビッグイベントはないかな」

侑李「ふーん」


ベッドの上で相変わらずゴロゴロスマホをいじるちーちゃんと、その下でベッドにもたれかかる私。いつもの風景。



「…あ！あのね、花ちゃんの家にお泊まりに行く！それが私的ビッグイベント！」

侑李「ほぉ」



反応薄っ！聞いておいて何やねん！
って思いながら振り返ったら、

寝そべったまま頬杖をついて、ちゃんとこっちを見ているちーちゃんと目が合った。



…あれ、なんだこれ。



侑李「仲良くやってるの？」

「へ？うん、まぁまぁ！ふたりとも良い子でね」

侑李「うん」

「花ちゃんはぶりっ子って陰口叩く人もいるみたいだけど、思いやりがあって優しい子なの。結愛は冷静に周りを見てる子で、いつだって平等だし頼りになるし」



少しだけ目を細めて、口角が緩やかに上がっている。


侑李「…お泊まり、楽しみなんだ？」

「うん！」



そっか、って
まるでちっちゃい子を見るように優しく微笑んで、


ごろんって寝返りをうった。



「…ちーちゃんまた寝るの？」

侑李「んー、目疲れた」



仰向けになって目を閉じる彼。


長くてくるんとした睫毛が、なんだかそのまま天井に届いてしまいそうな気がした。



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〜♪



直後、2人のスマホから同時に流れた着信音。





侑李「……んもぉ〜〜、」


うぅぅって伸びをしながら、くぐもった声で文句を言ってるちーちゃん。






〈みんな、ひかるんちに集まれ〜！〉


あの日以来、久々の招集だった。


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