恋は砂糖でできている。（Daiki.A）

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コンコン



入っていい？



ドア越しにひかの声が聞こえる。




A「いいよ」




そう声をかけると、ガチャッと音を立ててドアが開き、ひかと目が合う。



ひかはそのまま部屋に入ってきて、私のベッドにどかっと座った。




床に座って雑誌を読んでいた私は、顔だけひかの方に向ける。





光「あいつら帰ったから」


A「うん。」


光「…なんか、ごめん」


A「なんで？」


光「いや、あんなんだったし」




口を歪ませながらそう言うひかは、ちょっと可愛い。




A「緊張したけど、なんか新鮮で面白かったよ」






A「私、ひかの友達に挨拶するの、初めてじゃない？」





思い返してみると、中学生あたりからひかの友達とこうして関わる機会はほぼ皆無だった。



もっとちっちゃい頃は、ひかの友達にまぜてもらってよく遊んだりしてたけど。







光「…別におまえのこと恥ずかしいと思ってるとかじゃないよ？」






光「なんていうか、心配っていうか…ほら、その…」






あからさまにどもっているのが何だかおもしろい。





ひかなりに、色々考えてくれてたのかな。


これでも結構過保護だし、優しいし。




あとは、からかわれるのが嫌だったとかそんなところだろう。というよりそれが理由の大部分を占めている気がする。








A「お兄ちゃん」






こうやって呼ぶのいつぶりだろう。


呼ばれた本人もちょっとびっくりしてる。





A「…ありがとね」


光「…おう」





さっきまでとは違う、兄妹ならではのあったかーい空気が流れた気がした。






……





光「お前のこと、すげー褒めてたわ」


A「え！？」


光「可愛い可愛いってうるせーの」


A「うそ〜」


光「いのちゃんなんて超お気に入りだから。でもあいつ女の子大好きだからダメね。」







今年のトレンド水着はこれで決まり★



雑誌に目を落としてあんまり興味無いのを装ってるけど、



可愛いって言われてたのは内心すごく嬉しいし、言われ慣れてないせいかくすぐったい感じがする。






光「まあ、いい奴らだから」


A「ふふっ、わかってるよ」




A「だって、ひかの友達だもん」




私がそう言うと、



ちょっと照れくさそうに微笑んで俯く兄の姿が視界に入った。

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