恋は砂糖でできている。（Daiki.A）

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放課後、大学の最寄り駅のすぐそばで待ち合わせしている大ちゃんのもとへと急ぐ。







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大貴「おっ！」






先に到着していた大ちゃんは、私に気がつくとニコニコ手を振ってくれた。




それに私も笑顔で応えて、小走りでかけ寄る。







大貴「おつかれ！」



A「ごめんね、待った？」



大貴「全然！そんな走ってこなくてもよかったのに」






おかしそうに笑う大ちゃんは、いつもと変わらず優しい。






A「あ、これ…昨日は本当にごめんね。帰り大丈夫だった…？」





そう言って私が鞄から取り出したのは、昨日大ちゃんがかぶせてくれたキャップ。




昨日のバイト帰り、結局大ちゃんは私を送って、徒歩で帰っていった。

キャップは今度でいいよって言われたけど、お礼もちゃんとしたかったから、メールして放課後時間を作ってもらったのだった。






大貴「ん、ごめんねわざわざ」





少し申し訳なさそうにする大ちゃんに、こちらこそありがとう、ってお礼を言うと



ニコッと笑って、何か思いついたような顔をした後、私の目の前で腰を屈めた。





A「…？」



大貴「せっかくだから、かぶせてください」



A「え、……えっと、前？うしろ…？」


大貴「ええ？どっちでもいいよ。
あ、じゃあやや斜めでお願いします」






おかしそうに笑う大ちゃんの頭に、緊張しながらキャップをかぶせる。


少し顔を上げたタイミングで、前髪を斜めに流してあげると




唇を少し引っ込めながら、上目遣いで私を見つめる大ちゃんと目があった。





恥ずかしくて思わず視線を逸らすと、大ちゃんも鼻をすすって視線を逸らしながら

ありがとう、って小さく呟いた。









A「あ、あとこれ」




少し気まずくなった雰囲気をごまかすように、迷惑をかけたお詫びにと思って今朝買ってきたプリンを手渡した。





大貴「え！？くれるの？」


A「うん、こんなのじゃ足りないけど、お礼の気持ちです」


大貴「そんなに気遣わなくていいのに。でも、せっかくだから頂くね」




バイト前に食べよ〜って言って嬉しそうにしてる大ちゃんを見て、買ってきてよかった、って心底思う。



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