純情ロメオ2（Daiki.A）

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探せど探せど、指輪は見つからない。

指輪かと思ったら瓶の蓋の破片だったり、その手のものに騙されてばかり。



ライト機能は結構バッテリーの消耗が激しいから、そろそろ厳しくなってきた…



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A「え、うそ…」


一体いつ送られてきたというのか
バッテリーが落ちるのを危惧してなくなくライトをオフにし、久々にホーム画面を見たら、博美さんから連絡が来ていた。



内容は、
とりあえず支払いのことは心配するなということ、
何があったのかは知らないが、危ないことはするな、一応これでも心配してる、というものだった。





自分を無理に奮い立たせてたけど、やっぱり心細かった部分もあって、読んで自然と涙が出た。


返事をしなくちゃ、そう思って慌てて文字を打っている途中、案の定





…電源が落ちてしまった。






さらに災難は続く。




冷たいものが頰にあたり、それが今度は頭頂部や手にも、

…いよいよ、雨が降り出してしまった。


数分のうちに雨脚は一気に強まった。



雨が降るという予報は当たったけれど、小雨だと言っていたからその点は大外れ。

どちらにせよ、面倒くさがって傘を持たなかった自分が悪い。






上も下も、どんどん雨で濡れていく。そこに冷たい風が吹くとますます体温が奪われていく。


冷たい、寒い、暗くて怖い…




でも、ここまできたら何とか見つけたい…





電源落ちるし、びしょ濡れだし、
…まるで悲劇のヒロインか、私は。


そんな風にツッコミでも入れてないとやってられなかった。




．






もう、顔も手も、全身が雨で濡れていた。



それでもがむしゃらに探し続けて、ついに、その時は訪れた。




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ゴールドの輪の真ん中に宝石が埋め込まれた、いかにも高そうな指輪。ゴミ袋の下敷きになっていた。


アスファルトに叩きつけられても破損していないのは、やっぱりそれ相応の品物だからなのか…





胸に広がる安堵、
だけど、同時に次から次へと不安が顔を覗かせる。


まだこの指輪かどうかは分からない…
それに、見つかったところでそんな都合良く事が運ぶかな…



どうしようか…とりあえず、涼介さんか薮さんあたりに渡そうか。





あぁ、…


一気に力が抜けて、地面が汚いとか濡れてるとかも忘れて座り込んだ。



思っていた以上に、身体は悲鳴をあげていたみたい。限界だ。…帰れるかな、野宿？笑っちゃう。



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でも、神様はそこまで意地悪じゃなかったみたい

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