純情ロメオ2（Daiki.A）

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涼介「ごめん、ちょっと待ってて」



それだけ言って、涼介さんは慌ててテーブルを離れていった。







私と博美さんは、今しがた席を立った涼介さんの行き先を見ていた。



私たちの席からそう遠くはないようだけれど、カーブを描いた背の高いソファ席、こちらからは何も見えない。




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「あなたがやったのよね？ねぇ、お願いだから返して！」



女性が声を荒げているのが聞こえた。

何やら揉めているらしい。







「たまにあるのよね、こういうこと」


ソファに座り直した博美さんは、静かにタバコに火を灯しながらそう言った。


一面、白い煙に覆われる。





A「そうなんですか…」


「ホストのお兄さんも大変なのよ」




あなたも座れば？

そう促され、彼女に言われた通りにしようとした次の瞬間、思わず動きが止まった





A「あ、……」


「どうかした？」





あのフレアスカートの揺れに、見覚えがあった




店に来る直前に見たあの光景を、忘れるはずがなかった。





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その後、女性は薮さんに連れられてその場をあとにした。



食い入るようにその様子を見ていた私を窘めようとしたのか、博美さんがゆっくり立ち上がった時







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A「大貴先輩……」





さっきの女性のテーブルに付いていたと思われるホストが姿を現した





そのとき初めて、あの騒動に巻き込まれたのが大貴先輩だと知った。








「…まさか竜二くんだったとはね」



博美さんに腕を引かれ、今度こそ座らされた。



彼女は私がひどく動揺しているのを、おそらく見抜いている。


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