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．
「……はい、おまけね」
いつもの立ち飲み居酒屋で、一際負のオーラを放ち続ける私に気を使ったのか、大将が豚串をおまけしてくれた。
A「ありがとうございます…私、おまけしてもらってばっかり」
「常連さんだからね」
無口な大将はそれだけ言って、また焼き場に戻っていった。
．
一連の出来事を話し終えた後、聞き手だった博美さんは考え込むように黙っていた。
A「……馬鹿だなぁって、思ってますよね」
返事が無いのが気まずくて、さっき飲んだばかりのビールをまた口に流し込む。
「…馬鹿だなんて、思ってないわよ。私だって最終的には止めなかったわけだし」
A「え、あの…博美さんは悪くないですからね？」
タバコの灰を落としながら、伏し目がちに呟いた
「……でも、
なんか…腑に落ちないのよね」
．
胸が痛んだ。
下手に希望を持つと後々辛くなるから、
そういう、少しでも可能性を見出してしまうような言葉はあまり聞きたくない。
A「もう、いいですよ。終わった話ですから」
「……だって、そんな偶然ある？ドラマじゃあるまいし…」
．
『好きなんだ』
あの日、あのタイミングで伊野尾先輩と会ったことが
偶然でも、
……そうではなかったとしても、
もうそんなの、私には関係ないんだ。
．
わからない…
吐息まじりに呟いて、博美さんは肘をついた手の甲を額に当てた。
A「こんなに親身になってくれる先輩がいるだけで、私は十分幸せですよ。博美さん」
俯く博美さんにそう言って、冷めてしまわないうちにと豚串をもう一本食べようとした時
博美さんがゆっくりと顔を上げて、私の方を見た。
「……事の真相なんて当事者にしかわからないことだけど」
．
「女の嫉妬って、狂ってるじゃない？」
A「……そうですね」
何の話だ？
私はハテナを浮かべながら、お箸を使って上から4番目に刺さっているネギをくるくると先端に持っていく。
．
「世間では女の嫉妬ばかり取り上げられてるけど、
案外、男の嫉妬の方が狂気だったりするのよ」
A「ほぉ……」
…覚えておきなさい。
そう言って、またタバコを咥えた。
．
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グクとともに(プロフ) - 主人公ちゃんの流されやすさと簡単に落ちる姿がリアルすぎたのとムカムカっていう気持ちで読んでいましたホスト系は信じちゃいけませんよ主人公ちゃん！ (3月19日 22時) (
レス) id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
HAЯU - 純情ロメオ、凄くいい作品でハマりました!所々泣きそうになりながら読んでました、笑とても感動しました! (2020年1月1日 21時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
あみりんご - ないちゃいました笑 本当にいい作品で、はまりました笑 これからも応援してます！ (2017年8月19日 1時) (レス) id: fb29459596 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - あおいさんの作品は私の中では断トツ1番で大好きです！切ない中にもキュンキュンがたくさんあって…言葉の表現も大好きです(*^_^*)ずっと応援しています！ (2017年8月7日 13時) (レス) id: 31dab2731c (このIDを非表示/違反報告)
村田瞳(プロフ) - 純情ロメオを読ませていただきました！全体的に切なく何回も泣きそうになってしまったのを我慢していました(笑)ですが、2人が結ばれるところや結ばれたあとの周りの人の暖かさに改めて感動してほんとに涙腺崩壊でした！切なさとキュンが混じった最高の作品でした！ (2017年8月3日 1時) (レス) id: 789ccfcd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおい
| 作成日時：2017年2月4日 22時
