純情ロメオ2（Daiki.A）

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手を引かれて行き着いた公園


誰もいない静かなその場所のベンチに、私たちは腰を下ろした。







何度も何度も頰をつたった涙

その跡が乾燥してヒリヒリと痛むから、私はそれを指先で撫でた。




そうしたら隣から細長くて綺麗な指先がやって来て、私がしてるのと同じように、だけどそれよりもずっと優しく、その指先が頰の上を滑った。





慧「…ずいぶん泣いたんだね」


A「………」


慧「泣きすぎたんじゃない？大丈夫？脱水になんないかな…あ、近くに自販機あったから水でも買ってこようか」





ごめんなさい、
声を出したらまた泣いてしまいそうなの。






慧「……それとも、そばにいた方がいいかな」





お水より、俺の方がいい？
なんちゃって。



ふへへ、って笑った彼の冗談に、私は小さく頷いた。







え、って
また間抜けな声が耳に届いたけど、



…じゃあ、そうするね。
って、小さく呟いて、隣に座る私との隙間を少しだけ埋めた。







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慧「やっぱり夜は冷えるよね」




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慧「今日のお昼ごはんのお米、ちょっとやわらかすぎだったんだよねー。食堂のおばちゃん、水の分量間違えたのかなぁ」




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別に相槌打ったりしなくていいよ。
俺一人で喋ってるけど、気にしないでね。



そう言って伊野尾先輩は、宣言通り一人で話し続けていた。


言われた通り、相槌は打たなかった。




ただ、耳に届く彼の声を聞いていた。

誰かが隣にいてくれる、そう思ったら、少しだけホッとした。





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慧「……俺には、話せないこと？」




仕事のこと、ごはんのこと、どうでもいいこと、
一人で黙々と話し続けていた彼の話が途切れたタイミング




思った通り、彼は本題を切り出した。


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