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．
「ちょっと、どうしたのその声」
電話越しに聞こえて来る博美さんの声は、ひどく驚いているように聞こえた。
こんな鼻声で呂律も回ってないんじゃ、そうなるよね
「竜二くんと会ったんでしょ？」
A「はい、」
「……泣いてるってことは、そういうこと？」
A「…ぐすっ、……遊ばれてました、っ、」
はぁ……
ため息が聞こえた。
「…とりあえず、」
博美さんがそう話し始めたタイミングで、すれ違いざま、誰かとぶつかった。
そのシルエットは私よりもずっと背が高くて、
よろめいた体は、すかさずその人の手で支えられた。
A「ごめんなさい、
……あっ、」
.
慧「え、Aちゃん？」
驚いた。
こんなところで伊野尾先輩に会うなんて。
はっきり言って、最悪なタイミングだ。
A「もしもし博美さん？
…うん、すみません。またかけ直します」
通話を終えたのと同時に、伊野尾先輩が腰を屈めて私の顔を覗き込んだ。
慧「……え？」
間抜けな声を出したかと思ったら、突然肩を揺らして笑い始めた。
慧「待って、どうしたのそれ！？
なんか試合帰りのボクサーみたいになってるよ？」
目が腫れて狭まった視界
失礼すぎる伊野尾先輩だけど、確かに今ものすごく不細工でひどい顔だと思う。
試合帰りのボクサー、か…
あながち間違ってないかもしれない。
好きだった人にこてんぱんにされ、目の前のこの人にこんな醜態を晒して
なんでこんな目にばっかり合わなきゃいけないのよ……
もう、これ以上の辱めを受けるのはごめんだ。
そう思って立ち去ろうとした瞬間、
あたたかいその手が、私の冷えきった手をそっと取った。
.
慧「…近くに公園あったと思うんだけど。そこだったら、あんまり人いないと思う」
しっかりと繋ぎ直された手を見つめていたら、なんだかもう断る理由も見当たらなくて
小さく頷いた私に、
行こっか。
って呟いて、伊野尾先輩は歩き始めた。
できるだけ私のことは見ないように、ただ前を真っ直ぐに見つめて、
でも、歩幅はしっかりと私に合わせて。
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グクとともに(プロフ) - 主人公ちゃんの流されやすさと簡単に落ちる姿がリアルすぎたのとムカムカっていう気持ちで読んでいましたホスト系は信じちゃいけませんよ主人公ちゃん！ (3月19日 22時) (
レス) id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
HAЯU - 純情ロメオ、凄くいい作品でハマりました!所々泣きそうになりながら読んでました、笑とても感動しました! (2020年1月1日 21時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
あみりんご - ないちゃいました笑 本当にいい作品で、はまりました笑 これからも応援してます！ (2017年8月19日 1時) (レス) id: fb29459596 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - あおいさんの作品は私の中では断トツ1番で大好きです！切ない中にもキュンキュンがたくさんあって…言葉の表現も大好きです(*^_^*)ずっと応援しています！ (2017年8月7日 13時) (レス) id: 31dab2731c (このIDを非表示/違反報告)
村田瞳(プロフ) - 純情ロメオを読ませていただきました！全体的に切なく何回も泣きそうになってしまったのを我慢していました(笑)ですが、2人が結ばれるところや結ばれたあとの周りの人の暖かさに改めて感動してほんとに涙腺崩壊でした！切なさとキュンが混じった最高の作品でした！ (2017年8月3日 1時) (レス) id: 789ccfcd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおい
| 作成日時：2017年2月4日 22時
