強豪でも高校生ですから。4

文化祭とマネちゃん ページ7

[ただいまより、第○回ミス青城コンテストを開催します。開会宣言__…]





たくさんの人が集まるなか、俺達は一番後ろの席に座った。前にいてAの集中を切らすよか、これが最善だと思ったから。

そりゃ一番前で応援したいけど。後ろもプロジェクションのおかげで見えないわけではない。
しかも俺は友人を前において録画してもらっている。抜け目ないだろ。


壇上にはAも含めてきれいな顔立ちをした女子生徒が10人ほど。そのなかでもAが群を抜いてかわいかった。お世辞ではない。
ミスコンは予選は自己紹介をして、決勝で2人にしぼられる。決勝に勝ち進んだら自己アピールをすることができる。

Aのプロフィールはなんとなくわかるが、アピールは本当になにをするんだろう。今年も頭抱えたくないな、俺達は。





　「エントリーナンバー1番。川合伊奈です。好きな食べ物はいちご、好きなモノはダンスとお料理です！お時間があれば、ぜひ皆様にお見せしたいですっ！応援、よろしくお願いします〜！」





会場にふわりと砂糖のようなかわいい声が響く。川合は愛想の良い笑顔で自己紹介をした。いつも見る川合とは少し違って髪を巻いているよう。
少し会場がどよめいた。主に他校の奴ら。川合の容姿に驚いたのだろう。

次に去年の準グランプリとして、Aが前に出た。いつも通りの髪型。ミスコンだからとて変わることがないその容姿。
見慣れた彼女に少し安心した。





　『シリアルナンバー2、中田Aでーす。好きな落語は目黒のさんま、特技はスクイズ高速洗いです！男子バレー部のマネちゃんしてます☆よろしくお願いします〜』





中身も変わってなかった……。
まずシリアルナンバーってなんだよ。
それから、好きな落語ってなんだよ。
特技は…かわいい。好き。
マネちゃんしてます☆…。おまえは及川か。






そんな俺の心情なんて露知らず壇上のAはくるりと回ってウィンクした。
いっ………や、かわいい…！けれども！！




横に並んで見ていた及川、岩泉、松川はすでに頭を抱えていた。

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