文化祭で遭遇 ページ6
花巻side
俺の前に立つのはAの中学の後輩だったという白鳥沢のケンジロウくんだった。彼は怪訝そうに眉を潜めると「じゃ」と言ってこの場を去ろうとした。が、引き留める。
花巻「どうしたの?エリート様がわざわざこんなところまで」
白布「…いえ、先輩の付き添い…」
天童「ウソはいけないヨ〜!賢二郎が言い出したんじゃない!」
ほほう。
ケンジロウくんの後ろからひょっこり顔を出して盛大なネタバレをしたのは白鳥沢のゲス野郎だった。
にやりとケンジロウくんを見ると、彼はバツの悪そうな顔をして前髪をはらった。そしてコホンと咳払いをした。
大方、Aを見にきたのだろう。コイツもまた俺と同じ感情をAに抱いている。Aは気づいていないようだが。
及川「…………あれ、なんで他校のヤツがいるわけ?」
まるで部外者は出ていけ、というように後からきた及川が顔を嫌そうにゆがめた。
仕方ない。ずっと負けてきた相手校だから。
岩泉「おまえはさっき他校の女子にヘラヘラしてただろうが!!おまえがあんなんだったら後輩が真似するだろうが!」
及川「…った!イタイよ!岩ちゃん!ゴリラなの?」
松川「ハイハイ、やめな」
松川が及川と岩泉をひきずって廊下の端に寄せた。
その時、校内アナウンスが流れた。
[本日12時より、○○にて第○回ミス青城コンテストを開催します。本大会は___…]
恐らく、1日目の目玉。そしてたくさんの人がこれを目当てに青城へ訪れたことだろう。
3年のラストチャンス。
俺と目の前のケンジロウくんは視線を交わしてちょっと笑った。「おまえもコレが目当てなんだろ」っていうような。
そして、何事もなかったように再び歩き出した。その光景はさながらライバル同士が大会前にすれちがって「決勝で会いましょう」というアレである。
俺とケンジロウくんってなんなんだろうか。
ライバルっていうか、まぁライバルか。
でも自らの手で好きな人を幸せにしたいって思ってるだけなんだよなぁ。その好きな人がかぶっただけ。
みんな等しく両想いになれたら良いのに。
うまくいかないモンだよな。
花巻「ほらさっさといこーぜ!ミスコン!!」
頑張れ、A。
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空気(えあ) - 今まで読んだ作品の中でいっちばん好きです!!!ほんまに最高で思わず泣いちゃうシーンもあって‥でもそれでいて笑えるお話でした😂 (3月20日 3時) (レス) @page22 id: e905b060a1 (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - 卯月さん» 卯月さん初めてまして〜!!一気見ですか…!お疲れさまでした!!こちらこそ読んでくだってありがとうございました!😆 (8月7日 21時) (レス) id: 7ba130fac2 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - ひーなさん初めまして!!めちゃめちゃ面白くて素敵な作品で一気見しました!ありがとうございました!*ˊᵕˋ* (8月7日 16時) (レス) @page22 id: 17cdd314ba (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - 蒼穹@小鳥遊。さん» うわぁぁあ!この超長い作品読んでくださったのですか…?!とっても嬉しいです🥰青葉城西の3年尊いんですよね笑。ありがとうございます!! (7月30日 23時) (レス) id: 7ba130fac2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼穹@小鳥遊。 - 青城3年ズ可愛すぎですよ!仲の良さが作品全体に溢れ出ている!作者様の大ファンです!!! (7月30日 5時) (レス) id: bb5b2e42f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひーな | 作成日時:2023年2月19日 22時