日記:30日目 ページ37
そして、私達は音駒高校に戻った。部員を総動員させて行われた後片付け。ボールや備品を雑ながら戻していった。
家に帰ったら寝よう。
そう誓い、荒く仕事を乗りきり足早に帰ったのが悪かったのか。私はスマホを部室に忘れてしまった。ついでに体育館と部室を閉め忘れた。
マネージャー失格か！！！
それに気づいたのは午後5時。日はまだある。夏でよかった。
不本意ながら、音駒高校に戻らなくてはいけない。
*
『………くっ、』
さっき乗ったバスを降り、部室に急いだ。もう日が下りていく。
あたりまえだが、部室は空いていて。
スマホも見つけて。
しかし、誰もいない部室になぜか重そうなボストンバッグが。……夜久さんのではないか！！
忘れていったのかな、いや、まさか、
*
『……オーバーワーク厳禁ですよ』
重い体育館の扉を開けたら、さも同然のように夜久さんがいたのだ。彼は丸い目をさらに丸くしその場に固まってしまった。それから気まずそうに口をモゴつかせた。
夜久「…いや、…な、」
『戸締まりしてませんでした！！』
夜久「知ってる」
『…焦ってるんですか？』
なんとなく、思ったことを口に出すと彼は核心をつかれたように肩をすくめて笑った。大好きな夜久さんの笑顔に目眩さえ覚える。
だいぶ前から知ってるけど、重症だ。
夜久「なんだかんだ部員を見てるよな、おまえは」
『ふふ、一応』
夜久「俺達さ、進路相談で部活やる時間短くなってさ、いつかは卒業するけど」
_____……おまえがいるから大丈夫だな。
1つ上の先輩は『焦ってるんですか？』の問いかけには応えず、また笑った。
“卒業”のワードに反応してしまう。
たかが1年。されど1年。見ないフリをしていた現実が唐突につきだされた。
なんで、それを、今。
聞きたいことはたくさんあったのに。
夕日でオレンジに染まった体育館と無造作に転がっていたボール。そして、どこか憂いを帯びた夜久さんの表情にかき消されていく。
大好きでたまらないのに、
それに相応する苦しみにどうしようもなくなってしまったのだ。
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ひーな(株)(プロフ) - 蒼穹＠小鳥遊。さん» 前作にまでコメントありがとうございます〜！夜久さんかっこいいですよね！かっこよく見せられるように頑張りましたよ！！推しなんですか？読んでいただけて嬉しいです！！ (7月29日 7時) (
レス) id: 7ba130fac2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼穹＠小鳥遊。 - 夜久さん、イケメン過ぎません？推しの夜久さんをここまで格好よく書いている作品は他にないですよ！続編もとても面白かったです (7月29日 4時) (レス) id: 851e2142d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - ねこねこさん» わ、ありがとうございます！！なんかすみません笑 (5月8日 12時) (レス) id: 5a69352509 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - 夜久がこんなにかっこよく書かれてる小説初めて読みました......！！続編も面白かったです！更新頑張って下さい！応援してます♪ (2023年5月5日 13時) (レス) @page48 id: f035b1538a (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(株)(プロフ) - ARyさん» おお！ご閲覧ありがとうございます！夜久さんかっこいいですよね…🥰わかりますよ！コメントありがとうございます！ (2023年4月29日 18時) (レス) id: 5a69352509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひーな | 作成日時：2022年11月25日 20時
