ハロー、ハロー、届きますか？

日記:19日目 ページ23

今回の合宿は森然でやるらしい。

夏休みに入って早々、合宿とはどういうことだ。

しかも行き先は森。



でもよく考えたら夜久さんとの旅行とも考えられる！！やった！！！


私は持ち前のプラス思考に感謝しながら早朝の学校に足を運んだ。

まだ…暗いし……！

都内じゃん！！遅くてもいーじゃん！





*


　黒尾「はよー」


　『おはざす……あ、夜久さん！おはようございます！！』


　夜久「…おはよう」


　黒尾「彼我の差よ…」


　『あ！研磨、福永、山本おはよう！！』


　福永「おはよ」


　孤爪「………はよ」


　山本「A…元気だな」


　『夜久さんに会えたら元気100倍アンパン○ン』


　山本「アンパン○ン？」


　芝山「Aさん、おはようございます」


　灰羽「はざーす！！」


　手白「おはようございます」


　『おはようおはようおはよう！！』




あいさつをきっちり人数分返し、普段の元気をとりもどし、今回の合宿でも夜久さんにアピールだ！！



*


　黒尾「バスの座席は…」


　『黒尾さん、私は夜久さんの隣に座ったらマネージャー業がはかどる気がします』


　黒尾「おー、そーか。じゃ、やっくんよろしく」


　夜久「はぁ？！！」


　『よろしくお願いしまーす！』


　夜久「………」



下手したら合宿中、選手より動かなくてはいけないんです！！

夜久さん、充電させていただきます！



*

バスの中


　夜久「なんもすんなよ！俺寝るからな」


　『どぞどぞ。それで寄りかかってきてください』


　夜久「しねーよ」



夜久さんは腕を組んで窓に寄りかかった。

別に夜久さんにどうこうしようとは思っていない。

寝顔を連写するだけだ。


スマホのカメラを起動して、タイミングをうかがった。

そしてフレームにおさめる。


あとはボタンを押して、シャッター(？)を切るだけなのに。



レンズ越しに写る夜久さんに見とれてしまった。

どうしよう。

下手したらそこらへんの女子よりかわいいかもしれない。



恋は盲目だというけれど

まったくその通りだ。

今は夜久さんしか見えていないから！！




私はこの感情を心に刻むようにシャッター(？)をきった。

いや、これはカメラじゃないからシャッターではないのか。


まぁいっか！！

シャッターの方がかっこいいし！！

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