ハロー、ハロー、届きますか？

日記:15日目 ページ19

夜久「……………A？」







パキパキ、

私達の周りが凍りつくのがわかる。

今の私はというと福永の腰に巻きついていた。

夜久さんを見るなり山本は顔を青くし、研磨はそろそろ逃げようとし、福永は固まっていた。


良いもん、どうせ夜久さんは…あのオンナノコが良いんだ。

私は半ば自暴自棄になって目をそらした。




　福永「……A、これはマズイ」



福永に頭をポン、と置かれ私は初めて冷静になってこの状況を整頓した。





　夜久「…………なんか悪い、」


　『………あ』




夜久さんなんて！と思っていたことがウソのように私は夜久さんを追いかけてしまった。





*




　『つ、つかまえたぁぁぁー！！！』


　夜久「うわっ！！……ッテ」



私が走ったら夜久さんも走るもんだったからつかまえるのに時間がかかった！

なにが。

なにが楽しくて失恋相手を追いかけなきゃいけないんだ！

なにが楽しくて、こんな人気がないような遠くまで追いかけた！？

……疲れたわ！！！




　『……夜久さんはああいうオンナノコがタイプなんですか、やっぱショートですか』


　夜久「は？」


　『…私もショートにします。だから…！』


　夜久「？」


　『だから、私を好きになってくださいよぉ…』


　夜久「っ……！」





夜久さんは小さく「…悪い」と言うと私の頭を少し撫でた。

いつもこんなことしてくれないし、こんな優しく触れられたことがなかったからドキドキした。

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