蜘蛛 その1 ページ9
ゴールデンウイークのある日。私は5月の太陽が輝く道を車でひたすら進むという、微妙に楽しいドライブに参加している。とはいえ、今日の目的はドライブじゃない。そう、
「仕事だぁ‼︎」
「どしたのA‼︎」
小夜姉のイタイ子を見る視線が痛いが、なるべく気にしないでおきたいなあ、うん。
はっ。そんなことより、
「今日の仕事って何?」
母さんには、一言も説明を受けてない。
「あれ、話してなかった?」
勢い良く首を縦にふる我ら3兄妹。
「ごめんごめん。忘れてた。じゃ、今から話すよ」
内容は、要約するとこんな感じだった。
『とある家の住人の様子がおかしい。原因には心当たりがあるから、解決してほしい』
原因ってどんなだろう。やっぱり妖怪に関係あるんだよね………。
通って来た山道が太くなり、周りの山も途切れてきた。
「よし、もうちょっとで着くよ。用意できた?」
「「「はーい」」」
カーブを曲がると、棚田が広がる山里に到着した。
依頼人さんの家に行き、チャイムを鳴らすと、優しそうなおじいさんが出てきた。
「こちらです、どうぞ」
問題の家に案内される。今時珍しい茅葺き屋根のけっこう大きい家だ。
「八塚(やつか)さんといって、前までは気だての良い明るい人だったのですが………。最近、人形みたいになって、こっちが話しかけても反応しないんです」
「………そうですか。原因は?」
「蜘蛛です。以前、あの家に見たこともないような大きな蜘蛛が現れたんです。八塚さんは放っておこう、と笑っていたのですが………」
「わかりました。必ず、八塚さんを元に戻してみせます」
母さんがそう言うと、依頼人さんは安心したように笑った。
依頼人さんを帰らせ、私と華夜、小夜姉は扉を開けた。
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パイ皮 - 評価していただいた方、ありがとうございます。 (2015年3月8日 20時) (レス) id: 7af9fb7f2a (このIDを非表示/違反報告)
パイ皮 - 評価していただきありがとうございます! (2015年1月29日 17時) (レス) id: 58669513da (このIDを非表示/違反報告)
パイ皮 - ありがとうございます!!返信遅れてすみません。 (2015年1月25日 21時) (レス) id: 58669513da (このIDを非表示/違反報告)
ミーちゃん(プロフ) - パイ皮さんこんばんわ更新頑張ってください《*≧∀≦》 (2015年1月15日 19時) (レス) id: 033afe100d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パイ皮 | 作成日時:2015年1月12日 20時