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．
「……」
一歩、一歩、闇に向かって歩みを進める。その間、脳裏に蘇るのは、今までの記憶。そして。
――�爐修鵑覆箸海蹐傍錣討鷲�邪をひいてしまいますよ��
――�燹帖弔覆鵑箸覆�、貴女を見捨てられないんですよね��
昨日まで毎日欠かさず、私の元にやって来てくれた彼のこと。
私の名前を呼んでくれる、優しい声が好きだった。困ったように微笑む、優しい笑顔が好きだった。なにかを企んでいる、不敵に微笑む顔が好きだった。毎日ここに足を運んで、サンドイッチや、おにぎりを持ってきてくれるお人好しな所が、好きだった。
きっと、彼の言う通りだった。
――�猖佑燭舛隆愀犬呂箸辰�に、ゲームの域を通りすぎているのかもしれませんね��
否定する筋合いなんて、端から無かった。
私が今死を恐怖している原因は、紛れもなく彼だった。もしこのまま闇に落ちて、死ぬことが叶えば、彼とはもう会えなくなる。彼の仲間の話も、聞けなくなる。彼のクイズに対する情熱も、なにもかも、この耳で、目で、捉えることが出来なくなる。
その事がどうしようもなく、怖い。
私は……私は、彼を――。
「Aさんっ！！」
――背後から、扉を押し開ける音が聞こえてくる。振り返らなくとも私の名前を呼ぶ声だけで、誰が扉を開けたのかも、そこに誰が立っているのかも、全て検討がついていた。
やっぱり、貴方はずるい人だ。どうして、時間を過ぎてもここにやって来たんだ。貴方が提示したゲームでは、貴方が一日でもここに来ることを怠れば、私はすぐにでもここから身を投げることを許されていた筈だ。
私に勇気があれば、死を恐れない強い決意があれば、貴方がここに来たとき、私は既に身を投げていた筈でしょう。なのに、どうして。
「Aさん、待ってください……っ」
私を呼ぶその声に、いつもの余裕は感じられない。なにかにすがるような、焦ったような、悲痛の叫びのような、声。
ずるい。ずるい。貴方に名前を呼ばれて飛び降りれるほどの勇気が私にないと分かっているような、12時を過ぎても私は生きていると分かっているような貴方が、ずるくて、憎くて、どうしようもなく――……大好きだ。
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白菜(プロフ) - 歌さん» コメントありがとうございます！確かに今思うとぴったりですねw (2021年4月8日 13時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
歌 - この作品の後に『夜に駆ける』を聞いて号泣しました。最高でした！ (2020年9月7日 15時) (レス) id: 1444924b03 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 和奏さん» コメントありがとうございます。私もこの作品を書く際にはいろんな事を考えさせられました。その中で思ったのは、やはり人生は終わりがあるからこそ美しいんだろうなということです。顔も見えない奴ですが、最後の時まで和奏さんが笑顔でいれるよう、願っております。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 私事になりますが、私は余命宣告を受けています。永遠があれば、と考えたことがありました。でも、白菜さんの小説を見て永遠なんて最悪だと思いましたね。大切な人の死は見たくない。白菜さんには毎回心を揺さぶられてます…今回も素敵な小説、ありがとうございました。 (2020年8月13日 10時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - はーちゃんさん» 書き始めた当初は終わりだけしか思い付いておらず、さてそこまでどうもって行くかにめちゃくちゃ頭を悩ませたんですが、そう言って頂けて嬉しいです。まさか後書きまで褒めて貰えるとは思ってませんでしたが(笑)こちらこそ有難いコメントありがとうございました！ (2020年6月12日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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