【原神】素直じゃない君へ【男主】 (ページ5)

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日常・好物ページ5

Aside

放浪者がぽつり、と呟いた。

放「そういえば、君の好物を聞いたことがなかった」

『あー、そうだなぁ、自然銀とか好きだよ』

放「それは鉱物」

『テロップで遊ぶなって』

放「今言ったのは君だろ」

そんな会話をしながら、好物を考える。

好物、好物ねぇ。

『大きく括っていいなら、甘いもの』

放「悪いが君とはやっていけそうにない。それじゃあね」

『なんでだよ。しかも匿ってやってんのこっちだぞ』

いなくなるならいなくなるで別に構わないが、
そうしたら会話相手が居なくなるしな。

それはそれで困る。

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『え、甘いものが嫌い？』

放「なんであんなものがこの世に存在してるのかを考えたことがあるけど…
どう頑張っても存在価値を見出せなかったよ」

『そりゃ嫌いな奴が考えるとそうなるだろ』

ああ、そういえば前にナツメヤシキャンディを渡した時、
これでもかってくらい嫌な顔してたな。

素直な奴じゃないから
普通にうれしいって言えないのかなくらいにしか留めてなかった。

なるほど、合点がいく。

放「君があのげろ甘いキャンディを渡してきた時見るだけで鳥肌が立ったさ」

『そうか、それは悪いことをした』

放「感情がこもってないな」

『いや？こもってる。…克服のお手伝いだからね』

そう少し笑ってやれば、
何故か顔を赤くして、でも嫌そうな顔を俺に向けて

放「………僕は君がほんっっっっっと苦手だ……」

なんて言った。

ちろ、と舌を出して煽る。

放浪者は舌打ちをして俺の頬を引っ張った

『いふぁい(痛い)』

放「知ってる」

『ふふはらひょっとはてはへんしほ(するならちょっとは手加減しろ)』

放「つねる事を否定しろ」

まあ煽ったことへの多少の罪悪感はあるから、
つねるくらいなら許そうと思って。

やっとのことで離してもらえたから
俺は放浪者に好物を聞き返した。

放「………け」

『毛？』

放「苦い茶漬けだ馬鹿」

『あーほらまた馬鹿とか言う…って''苦い''茶漬け…？』

血の気が引いた。

『うん、確かに俺たちはやって行けそうにない。出て行け』

放「なんでだよ」

当たり前だろ、俺は苦いものが大の苦手なんだ。
嫌いなんて言わないさ、だって好き嫌いはダサいでしょ。

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