第15話 ページ15
A_side
二人組が出ていってしばらくした後、母さんと田中さんが帰ってきた。
話を聞くと、二人で体育館に行っていたのだとか。
まあ、田中さん男やけど……
母さんはかなり父さんのことが好きやから大丈夫だと思う。
『あっ、そーいえばさぁ、さっき』
オガワさん?と誰かが来たことをありのままに伝えた。
二人ともびっくりしてて、面白い。
まあ、iPodの持ち主が見つかってちょっとホッとした。
さーて、いっちょだらけますか。
田中「さーて、Aさん。バボで動く練習、しようか」
田中さん、鬼かな??
母さんと田中さんに抵抗するすべもなく。
無様にも体育館へ引きづられていった。
***
『あの、ちょっと言いたいことあるんスけど』
田中「ん?どうかした?」
渡されたバボの中を覗くと
兵庫で着ていたバボとは明らかに違うことを見つけてしまった。
少しひんやりしているバボの中
水分を入れるホルダーも完備。
視界は比べ物にならないくらい良好で
おまけに無線までついている。
『なんで東京のバボはこんなに設備いいんですか…?!』
呆気にとられた顔でこっちを見る田中さん。
かと思えば笑い出した。
田中「っははは!!笑もしかして、Aさん言ってなかったんですか?笑」
そう言いながら、お腹を抱えて笑う。
呼ばれた母さんは目をそらしてぼそりと漏らした。
母「ひょ、兵庫の奴は簡易バボだから、ホンモノやなかってんな…ハハ」
ここ数週間で私は何回母さんのドジを見ているんだろう。
ほんっまにうちの母さんは…
呆れつつ、改めて本物のバボに触ってみる。
簡易バボとは違い、少しふわふわしている。
『へ〜、、、めっちゃ触り心地いい…』
もういっそこのままバボに抱き着いて寝たい。
ちらっと田中さんを見ると、笑顔でこっちを見ていた。
得体のしれない圧を感じた私はとりあえず入ることにした。
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作者名:zyuma | 作者ホームページ:http://towa
作成日時:2023年11月24日 17時