第11話 ページ11
小川_side
そりゃあ、バボちゃんの控室に置いてるなんて思わないだろ。
少し、苛立ちを覚えながら寮に戻ることにした。
体育館の前を通ろうとしたとき、
中からボールの音が聞こえることに気付いた。
「…まさか、ゆうれい?」
そんなわけない、ばからしい。
自分に悪態をつきながら、一歩一歩近づく。
恐怖と好奇心がせめぎあう中、視界に光をとらえた。
光があるってことは、お化けじゃない…のか?
ついに入口に立った俺の耳に、女性の声が聞こえた。
二人いるのか。
いや、女性スタッフの中にバレーする人なんていたか??
違和感を感じながら、中を覗くと
『っしゃぁぁぁ!!』
「つぎ、いくでっ」
『何本でもこいやぁーぁっ!!』
そこにいたのは
叫びながらアタックを打つ女子と、トスを上げる女の人。
光のせいかあまり顔は見れなかったけど、あのネットは多分男子用の高さだ。
なのに、あの女子は軽々とネットから顔を出している。
アタックにもそれなりに力が乗っていて、到底初心者には見えない。
「あの子………やば笑」
面白くて、口角が上がっていくのが自分でもわかった。
明日もいんのかな、いたらいいのに。
暫く見とれていたようで、その人たちの大声で意識を引き戻された。
『もぉ、なんで母さん言ってくれんかったん?!』
「母さんやって、さっき気づいたんやがな!!」
二人で軽口をたたきながらネットやコートの片づけをしている。
その様子を見ながら、こっちに来る前にそっと退散することにした。
「…まじかよあの子、やべー笑」
寮のフリーペースでひとり、思い出し笑いをしてしまった。
男子用の高さであんな飛ぶとか…
山本「なーにニヤニヤしてんのっ?」
不覚。智さんにニヤケ顔を見られてしまった。
急いで顔を隠すけど、時すでに遅し。
智さん、お願いだからにやにやしないで。
山本「なにぃ〜?かわいいこでも見つけたの〜?」
「いや、ガチでそんなんじゃないっす!!」
山本「その焦りようは怪しいな〜?笑」
このあとめちゃくちゃいじられた。
*+*+*
明日から更新頻度おちます!
236人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:zyuma | 作者ホームページ:http://towa
作成日時:2023年11月24日 17時