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叶side
Aさんはふわっちを振り払い、自分の部屋まで走って扉を大きな音を立てて締めた。
葛葉の方を見ると、魔力が収まったみたいで羽が消えていつもの落ち着いた姿に。
叶「葛葉、」
葛葉「………。」
ローレン「いつもあんなに喧嘩すんの？」
葛葉「………いやめっちゃ久々。幼少期以来。………………てか、嫌いって言われたの初めて。」
イブ「大喧嘩で草。仲直りしなよ。」
葛葉「………うん、そうだな。ちょっと俺も頭冷やしに行ってくる。」
そう言って葛葉はAさんの隣である自分の部屋に戻った。
不破「マジかあ、この空気。」
ローレン「いや空気重くてビビった。止めようにもさ……」
イブ「ろれ、葛葉が魔力抑えられない姿見るの初めて？」
ローレン「うん。人間離れしてるというかもはや人外だもんな、ガチでビックリしたわ。Aさんもよくあんな風に魔力放ったりすんの？」
叶「いや？葛葉からよく聞いてたけど、葛葉と比べたらAさんはかなり魔力が弱いらしいよ。魔力使ったら体も壊れやくなって熱が出る時があるみたい。だから強い力を持った者だけが生き残る魔界では居場所がなくて葛葉がこの世界に連れてきたんだよ。」
ローレン「なるほどね。」
叶「でも、とても整った顔で愛嬌もあるし、誰もが魅了されるような良さがあの子にはあるから、ごくたまに変な人に目つけられたり、電車乗った時とかはよく痴漢されかけてたみたい。葛葉がいつも隣いるから止めに入ってブチギレてるっぽい。でも、Aさんは葛葉がいなかったらストーカー被害は止まらなかったと思う。」
ローレン「んで、くっさんは魔界から人間界に連れてきた身としては責任感を覚えて、Aを異様に心配しちゃうと」
叶「それもある。あと、葛葉はAさんのことをただただ大切に思ってて、純粋に愛がある依存をしてるんだと思う。」
不破「すんげえ、双子。」
ガチャ、
僕たちが話してる間に部屋から出てきたのは馴染みがある姿のAさんだった。
不破「Aちゃん………！」
「あーー、ごめんごめん！わたしみんなの夕飯作らなきゃいけないんだった！今日は叶さんとふわっちが配信あるなら夕飯いらないんだっけ？夕飯作るのはーー、ローレン、イブちゃん、とわたしの3人分だけでいいかな？」
ローレン「え？くっさんもよ？」
イブ「葛葉も配信ないから夕飯いると思う」
「葛葉？誰それ」
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作者名：むぎ | 作成日時：2023年10月29日 22時
