▽必要なもの ページ29
荷物をまとめて走って店を飛び出した
汗が額を伝ったけどそんなの気にしてる暇もない
なんと言われようともう、構わない
自分が決めたことだから
もう迷わない
どんな言葉だって、伝えたい
きっと今言わなきゃ後悔するから
だから、お願い、聞いて
私のわがまま、聞いてよ
駅までの道のりをひたすら走った
でも私が探している後ろ姿は見つからなくて
それでも走り続けた
止まらない
見つけるまで、走り続けるんだ
ふと、駅の隣にある公園に目をやった
何故そこが気になったのかわからないけど、私はそのまま公園へ足を踏み入れ、視線を忙しなく動かした
そして見つけた
ベンチに腰掛けてぼんやりと上を見ている横顔に少しばかり見蕩れてしまった
走って弾んだ息を整える余裕もなく、そのままベンチへと足を運ぶと足音に気付いたのかこちらに目を向け、そして私を見ると驚いたような顔をして固まった
｢せふ……｣
呼吸が整っていないせいで、言いたい言葉が出て来なかった
なんとか落ち着かせようと何度も深呼吸をした
早く、早く伝えるんだ
｢汗ひどいよ…｣
そう言って伸びてきた手は、イーシンさんのように私に触れる寸前で止まった
2人とも、私が男の人が苦手だってわかってるから
そうしてくれるんだ
けど、今はね
セフンに触れられたいって、思ったんだ
｢先に帰ってって言っといてなんで追いかけてくるの？ねえ、俺出来た人間じゃないからそういうの、期待したくなるんだよ｣
セフンは顔を歪めて私に伸びた手をぎゅっと握り、下ろした
｢ごめんなさい｣
ようやくまともに話せるようになった私の口から出たのは、それだった
1番に言いたかったことはこれじゃないけど
たくさん傷付けてしまったから
｢傷付けるのが怖かったの…｣
今より深くなってしまうと後から辛くなると思った
今ならまだ傷は浅くて済む、なんて考えてた
セフンがいつか傷付いてしまうからとか綺麗事を並べて、本当は自分のことばっかだった
｢顔見知りと友達の間とか、そんなこと思ってない…傷付けるのが怖いから、会いたくなかった……ほんとは｣
｢待って｣
遮られたことに動揺した
私の言葉は聞きたく無い…？
｢聞いてもいい？｣
ゆっくりと顔を上げると
そこに見えたのは真っ直ぐで綺麗な目
｢Aは今までどんな気持ちで過ごしてきたの？｣
突然の質問にとっさに言葉が出てこない
でも、とても単純なものだ
それは───────
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K(プロフ) - ペコさん» コメントありがとうございます！わかります私もそんな感じです…(笑)嬉しいですありがとうございます(;_;)今後もよろしくお願いします！ (2017年10月3日 23時) (
レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - 一気に読んじゃいました！面白かったです！あー、今の癒しは作品読みながら妄想と現実逃避になってしまってます(笑)他の作品も楽しく拝見してます★ (2017年10月1日 23時) (レス) id: d2f2d687fb (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 山下 舞優さん» お久しぶりです、遅くなりましたが付き合ってからの2人を短いですが書いてみました！もし良かったら読んで下さると嬉しいです(^o^) (2016年8月21日 19時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
山下 舞優(プロフ) - お返事ありがとうございます！！大変なことを言ってしまって申し訳ありません(＞＜)楽しみにしてます！！ (2016年5月9日 21時) (レス) id: f4415a2e1b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 山下 舞優さん» コメントありがとうございます！嬉しいです(; ;)余裕が出来たら少し考えてることがあるので、もしかしたらですがその後のお話もかけるかも知れませんのでよろしくお願いします！ (2016年5月9日 12時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2016年3月17日 21時
