ｰ落し物 3ｰ ページ22
今日もポケットの中でボタンを握り締めながら教室へ向かう
今日こそは返せるだろうか
｢ヌナ〜飴ちょうだい〜｣
そう言いながら日常のように教室へ足を踏み入れるセフンに今日は付いて行ってみる
Aさんの横にはユナさんがいて、目が合うと目をそらされてしまった
そして袖のボタンを確認すると1つ、無いままになっている
やっぱりユナさんのものだ、とボタンをぎゅっと強く握り締めて息を吸った
｢あの｣
思い切って声をかけてみると弾けたように勢い良く俺に視線を向けたので少し仰け反ってしまう
びっくりした…
｢これ、ユナさんのですか？｣
手に載せたボタンを見せると驚いたように目を見開いてそれからまた俺に視線を戻すその顔は
そう、なんていうか、凄く可愛らしかった
｢そ、そうです！探してたんです、ありがとうございます…！｣
おずおずと手を伸ばしてきたのでそっとボタンをユナさんの手のひらに載せると、それをぎゅっと包み込んだ
隣ではセフンとAさんとヒョンが騒がしく何か話しているようだけどそんなのも耳に入ってこないくらい目の前にいるユナさんの表情や仕草が気になって
次になんて声をかけようか
そんな事を考えていた
｢あ、あの、俺年下ですし、敬語とか全然いらないですよ｣
｢えっえっと、でも｣
戸惑ったように頬を染めながら目を泳がせるユナさんはやっぱり可愛くて、気付けば笑っていた
｢敬語、やめましょ｣
｢……うん｣
なんだろう、凄くドキドキする
いや、馬鹿じゃないんだからなんでドキドキしてるかくらいわかってるつもりだ
でも、なんとなくそれを認めたくない自分もいるわけで
｢名前、知っててくれたんだね｣
はにかみながらそう言うユナさんをみると感じるこの感情はやっぱり認めなきゃいけない気もする
｢セフニに聞きました｣
｢そっか…ジョンインくんてモテるでしょ？｣
唐突にそんな事を聞かれるとは思っていなくて面食らった
｢いや、別に、俺愛想ないんで……あー、えっと、ユナさんこそ、彼氏くらいいるんじゃないですか？｣
内心めちゃくちゃ緊張しながら聞いた
彼氏いるとか言われたらどんな反応すれば良いのかいまいちわからない
｢え、いないよ…｣
｢そうなんですね…｣
表情管理出来てたか怪しい
彼氏がいないと知って喜んでるくらいだ
認めたくなくても、俺はきっとこの人が気になって仕方が無いんだ
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K(プロフ) - miH_1028さん» コメントありがとうございます！至らない点もたくさんあるのにそう言って頂けると嬉しいです(; ;) これからもよろしくお願いします！ (2016年10月13日 7時) (
レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
miH_1028(プロフ) - こんばんわ。セフンぺんでもベッキョンぺんでもないのですが、このお話は本当に大好きで、何度か読み返しています。爽やかで綺麗でキュンキュンして心がけ癒されました。完結はしていますが、これからもちょくちょく読み返しに来ます♪ (2016年10月13日 1時) (レス) id: d425b92b43 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます！わーそう言ってもらえるととても嬉しいです(；；)個人的にもこのお話は好きだったので…他の作品でもまた出会えたら嬉しいです(^o^) (2016年6月22日 18時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
あんり - とてもキュンキュンしながら読みました！最近、キュンキュンしてないなーっと思っていたときに、この小説を読んで久々に発狂するくらいハマりました笑笑すてきな、お話ありがとうございます~ (2016年6月21日 22時) (レス) id: 75a563194b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2015年11月28日 0時
