私の心が読める人 ページ8
どこまで走ればあの人から逃げられるのかわからなくてひたすら走った
ひたすら走ってジョンインやギョンスさんがいるはずのお店へと向かった
零れそうになる涙を何度も拭いながら走って、そして疲れとお酒とさっきの恐怖のせいでいうことがきかなくなった足がもつれてその場に転んだ
膝も手のひらもじんじんしていろんな所が痛くて視界が滲んだ
もう嫌だ、なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの？
今までベクのことを紛らわせるためにしてきたことのつけが回ってきたのかな
周りを歩いている人たちは私を見て見ぬふりして通り過ぎて行く
きっと酔っ払いだと思ってるんだろう
誰も私を気にかける素振りも見せなくてそれすらもなんだか悲しくなってきて余計涙が出そうになった
ごしごしと目をこするとふと私の前に影が落ちて
顔を上げるとその顔にひどく安心した
「…何やってるの、ほら起きて」
ギョンスさんが私の腕を引っ張って起こしてくれて、その力強さはさっきのミヌさんと変わらないのに全然違った
すぐに電話を取り出して誰かに連絡を入れるギョンスさんを呆然と見つめることしか出来ずにいた
「あーもしもし？いたよ、カフェの前。…うん、わかった」
電話を切ったギョンスさんは立ち上がった私を上から下まで見ると顔をしかめた
「血出てる」
「…大丈夫です」
強がってみたけど痛いのには変わりなくて声が震えた
ギョンスさんはため息をつくとさっきより少し優しく腕を引いてベンチがある所まで連れて行ってくれてそこに私を座らせた
「派手に転んだね、酔っ払ってるのに走るからだよ」
だって、怖かったんだもん
凄い怖かった
「ハンカチしかもってないや…コンビニ行ってくるからちょっとここで待ってて」
「えっちょっと待って…！」
まだ近くにミヌさんがいるかもしれないのに1人になるのが怖くて咄嗟にギョンスさんを引き止めて、すぐに我に帰った
「いや何でもないです、ここで待ってますね」
笑顔を作って見せたけどさっきより顔をしかめられてしまった
「ああもう、わかったよ」
ギョンスさんはそう言うと私の隣に腰掛けた
もう本当に情けない
どうしてこんなんなんだろう私って
「…どうしてギョンスさんが来てくれたんですか？」
だって二次会の途中なはずなのに
私を探してたみたいじゃんこれじゃあ
「先輩達が2人はこのまま戻ってこないよって言うから。Aちゃんはきっとそれを望んでないと思ったから。それだけ」
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K(プロフ) - ぱくちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります、ありがとうございます(；；)番外編もどうぞよろしくお願いします！ (2016年1月12日 0時) (
レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちゃん(プロフ) - はじめまして。いつも読ませていただいていました。べくと主人公の女の子が可愛くてもどかしくてキュンキュンしました！更新が本当に楽しみだったので完結してしまうのは嬉しいような寂しいような感じではありますが、番外編も楽しみにしています！完結お疲れ様でした！ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 910c140191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2015年11月21日 22時
