慣れ ページ35
朝目が覚めると私の横で少し丸くなって眠るベクがいた
…夢じゃなかった
昨日のことは、全部夢じゃないんだ
時計を見ると家を出る一時間前
そろそろ起きた方がいいかな
でもベクの寝顔超かわいい起こしたくない写メ撮っていいかな
いやいやいかん、さっさと起きないと
「ベク！起きろ！」
おでこをぺちんと叩くとうーんと唸りながら伸びをしてカーテンの隙間からもれる光に眩しそうに目を細めた
「んん〜…もう朝？てかもうちょい優しく起こしてよほら〜朝だよベクちゃん〜朝ごはん出来てるよ〜って」
「何それ私にそんなの求めてんの！？今までの私見ておいてそれ！？もはやそれ私じゃないでしょ！」
がさつで料理も特別得意な訳でもなく漫画やドラマに出てくるような素敵な女性からはかけ離れてる私にそれ言うとか残酷なやつだ…
「じょーだんだよ、Aはそのまんまでいーの」
そう言いながらちょっと寝惚けたままの目で微笑まれて心臓が変にぎゅっと締め付けられた
朝から心臓によろしくない…
「べ、ベク昨日お風呂入れなかったでしょ、部屋戻って入ってきなよまだ時間あるし！」
内心死ぬほどきゅんきゅんしてるのがバレないようにそう言うとベクは上半身を起こすとまた首をかしげて私をじっと見た
今度は何なの…！？
「一緒に入る？」
「ぶっ！！！」
「きたねえよ馬鹿！！冗談だし！！」
私の服をひっぱり顔を拭きながら憤慨した顔をしている
いやなんで私の服で拭いてんだよ！！
「朝からそういう冗談やめろ早く行け馬鹿！！」
「はいはーい」
しぶしぶ立ち上がり大きく伸びをしてから玄関へ歩いていった
…この調子だとベクのペースにのまれる、やばい
ドアノブに手をかけた所でベクは振り返った
何度も見た光景なのに今日は何故か妙に心臓が高鳴る
関係が変わったからなのかな
「準備終わったら迎えに来てね」
仔犬のような顔でそう言うベクが愛しくて
思わず頬が緩んだ
「うん」
満足そうに微笑むとドアを開けて出て行った
その途端力が抜けたようにその場にへたり込んでしまう
ベクってあんなに男らしいの？
昨日のベクにされたキスとか、あんなの…
普段のわんこでやかましい姿からは想像も出来なかった
あの続きもいつか…
いやほんとに想像出来ない
今まで近くに居すぎて彼氏彼女の関係になった自分たちが想像出来ない
でもベクはすっごいナチュラルになんか…
やっぱ慣れてんだなぁ…これ考えるとへこむからやめよ
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K(プロフ) - ぱくちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります、ありがとうございます(；；)番外編もどうぞよろしくお願いします！ (2016年1月12日 0時) (
レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちゃん(プロフ) - はじめまして。いつも読ませていただいていました。べくと主人公の女の子が可愛くてもどかしくてキュンキュンしました！更新が本当に楽しみだったので完結してしまうのは嬉しいような寂しいような感じではありますが、番外編も楽しみにしています！完結お疲れ様でした！ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 910c140191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2015年11月21日 22時
