ふわり ページ33
「めちゃくちゃ嫉妬したに決まってんだろ」
耳元で聞こえるベクの声
少しだけ、震えてる気がする
「俺が1番Aのことわかってんのに、何で他なんだよってずっと…俺がしたくても出来ないことを簡単出来ちゃうやつが羨ましくて仕方が無かった」
何それ
そんなの、知らない
そんなこと思ってたなんて私知らないよ…
「せめていい奴に出会ってさっさと俺の前からいなくなれば諦めがつくと思ってたのにずっとフラフラしてるし」
「…ベク、私」
「しまいにはバイト先の知らない男に無理矢理キスされたあげく体触られてるし」
「ちょっ…それ今言う…？」
抱き締める力がぎゅっと強くなった
どっちの心臓の音なのかわからないけれど
いつもより速く動いているのだけは確かだった
「ほんとに俺のこと心配させるの好きすぎだろ」
「そんなつもり無かったもん…私はただ皆と仲良くなりたかったから行っただけで」
「前から言ってんだろ、少しは自覚しろって。自分がどんだけ魅力的か自覚しろ」
｢み、魅力的！？」
そんな言葉がベクの口から聴ける日が来るなんて思ってもいなかった
私はベクに振り向いて欲しくて色々頑張ってたから…
「そもそも魅力的じゃなかったらそんなほいほい彼氏できねえだろ」
「ほいほいって…！いや待って、ちょっと今嬉しくて涙が出そう…」
「さっきから泣いてんだろ馬鹿」
耳元で小さく笑ったベクの息が耳にかかってくすぐったかった
そして躊躇いながらベクの背中に手を回す
「信じていい…？後で嘘でした〜騙されたなこのトンチンカン〜とか言わない…？」
「言わない」
ベクのシャツをぎゅっと掴むとそれに応えるようにさらにベクは私のことを強く抱きしめてくれた
こんなに抱き締められたら窒息死するかも
けど、離して欲しくない
今まで我慢してた分、好きが溢れ出してくる
「うぅ…今までのベクの彼女が羨ましい…」
「過去のこと気にしてどうすんだよ…ってか何？何でいきなりそんな可愛いこと言い始めんの？いつものAどこ行ったんだよ」
「だって羨ましいんだもん！！私はずっとこうして欲しかったのに私がそう思ってた時にはベクは他の女の子のこと…！」
「あーもーほんと…Aって男の前でこんなんだったわけ…？…無理、我慢出来ない」
口にふわっと、一瞬何かが触れた
あまりにも一瞬過ぎて頭がそれに追いつくのに暫く時間がかかった
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K(プロフ) - ぱくちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります、ありがとうございます(；；)番外編もどうぞよろしくお願いします！ (2016年1月12日 0時) (
レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちゃん(プロフ) - はじめまして。いつも読ませていただいていました。べくと主人公の女の子が可愛くてもどかしくてキュンキュンしました！更新が本当に楽しみだったので完結してしまうのは嬉しいような寂しいような感じではありますが、番外編も楽しみにしています！完結お疲れ様でした！ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 910c140191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2015年11月21日 22時
