幸せ者 ページ27
「私もずっと謝りたかったの…Aは悪くなかったのに、Aがもっとしっかりしてればって、言ったでしょ？」
「ほんとのことじゃん…！」
「まだ小学生だったのに、そんなAに責任を押し付けるなんて母親失格じゃない」
「そんな訳ないじゃん…！しかも喧嘩したあの時は私だって高校生だったんだから自分が悪かった事くらいわかってて」
「違う、Aはなーんも悪くないの」
私の言葉を遮ってお母さんは私を抱き締めた
こうやってお母さんに抱き締められたのはオッパがいなくなってから初めてだった
そうしてくれなかったのはお母さんは私を恨んでるからだとずっと思ってた
私がいなかったらオッパが居なくなることなんて無かったから
本当は辛いことがあった時にはこうやってして欲しかった
けど私にはそうしてもらう資格なんて無いって
ずっとそう思ってたから
「ごめんね…A、ごめんね…ほんとはずっとこうしてあげあかったのに、してあげられなくて」
その一言で私は思い切りお母さんを抱き締め返した
今までできなかったぶん、思い切り
「2人とも大事な私の娘と息子だから、だから私がいなかったら、なんてそんな事言っちゃダメ」
何でそれを…？
私はお母さんにそんな事ひとことも言ったことないのに
「私が傍に居られないあいだ、ずっとベクちゃんが傍に居てくれたでしょ？」
私は1度ベクに私がいなかったらこんな事にならなかったのにと言ったことがあった
お母さんと喧嘩した少し後だった
そう言ったらすごく怒られたからそれからは言わないようにしてたけど…
「Aがそう言ってたって、ベクちゃんが教えてくれてね。私がそう思ってないことくらいわかってるから、だから安心させてあげてって言われたんだ」
何なのさ
ベクは何でそんなに優しいのさ
「Aは幸せ者だなぁ、あんなに優しい人が傍に居てくれて…ほんとの家族みたいだよねベクちゃんて」
本当に幸せ者だよ私は
こんな私を悪くないと言って抱き締めてくれるお母さんがいて
そして私を守ってくれるベクがいて
「あのね、私ベクのこと好きなんだ」
そう言うとお母さんは驚いた顔をした
「好きなの、ずっと前から」
「そうだったんだ…やだなぁ、こんな近くにいたのにそんな事にも気付かなかった」
なんだか申し訳なさそうな顔をする
何故そんな顔をするのかわからなかったけど、やっと伝えられた
後はベクにちゃんと伝えられるか
それだけだった
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K(プロフ) - ぱくちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります、ありがとうございます(；；)番外編もどうぞよろしくお願いします！ (2016年1月12日 0時) (
レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちゃん(プロフ) - はじめまして。いつも読ませていただいていました。べくと主人公の女の子が可愛くてもどかしくてキュンキュンしました！更新が本当に楽しみだったので完結してしまうのは嬉しいような寂しいような感じではありますが、番外編も楽しみにしています！完結お疲れ様でした！ (2016年1月11日 19時) (レス) id: 910c140191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2015年11月21日 22時
