足りない ページ38
｢Aちゃんさぁ、ミンソクくんとなんかあった？｣
｢へ？｣
仕事中、患者さんも来なくてまったりとしていると突然先輩にそんなことを言われて気の抜けた声が出た。
｢何もないですよ？｣
｢そう？｣
何か探るような表情で私をじっと見てから小さく溜息を吐き出すのをそわそわしながら盗み見て、無意味にマウスに手を伸ばしてカチカチっと鳴らした。
｢なーんか、急によそよそしく見えるんだよねぇ…前まで結構仲良かったのにあまり話さないし｣
｢そんなことないですよ？ふつーですよふつー！｣
｢うーん｣
納得出来ないのか何か言いたそうに顔を顰める先輩を考えすぎですよ〜と笑い飛ばした。
実際のところあれからミンソクさんと極力話さないようにしている。
でも周りに怪しまれないように話す時は普段通りふざけたりもするしたまに雑談だってしてるしミンソクさんも大人だからそのくらいの配慮はしている。
ベクは当たり前のように私たちの変化に気付いているだろうに何も聞いてこない。
何も聞かずに傍にいてくれる。
ご飯を食べに行ったり一緒に帰るのは当たり前で、家に来るとあの日みたいにキスだけして帰る。
こんなの良いはず無いと分かっていながらもベクがいる安心感から離れられない。
そんな日々を続けているとベクとの不思議な関係が始まってからいつの間にか1ヶ月がたとうとしていた。
その間にミンソクさんとの距離はもう、本当にただの同じ職場の同僚でしか無くなっていた。
前までは少し近かった距離も、初めて会った日に戻ったみたいだった。
それなのに私はいまだにミンソクさんを目で追っている。
ベクの存在は私の中で大きすぎるくらい大きくなったっていうのに、どうして私の中にまだミンソクさんがいるんだろう。
｢先輩、アイス溶けてる｣
ハッとして手元に目をやるとアイスの棒をつたって溶けたアイスが手に流れていた。
｢うわ、最悪！｣
溶けかけのアイスを口に咥えながら立ち上がって手を洗いに立ち上がった。
今も、私の部屋で2人でいるっていうのにミンソクさんのことを考えてた。
ベクが目の前にいるのに。
何をしているんだろう。
鏡を見るとアイスを咥えたまま間抜けな顔をした自分と目が合って思い切り顔を顰めた。
しっかりしないと。
いつまでもこんなことしてられない。
自分のためにも、何よりもベクのためにも。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね！どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね！私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは！わー、ミンソクさん派！ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます！ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ！ (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません（笑） (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年3月15日 18時
