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家の前に着いてから暫く無言の時間が続いた。
私が動かないからだ。
けど、またねというひと言が出てこない。


「先輩〜変な期待したくなるんで早く中に入ってくださいよ〜」


ベクはおどけたように笑いながらそう言った。
変な期待、か。
私はどうして家に入らずぐたぐだとしているんだろう。


「ごめん…入るね、送ってくれてありがと」


笑って手を軽く振ってベクに背を向けかけた時、手首を掴まれた。
驚いて振り向くとベクも微笑んでいたけど少しだけ戸惑っているようにも見える。


「名残惜しそうな顔しないでくださいよ、離れたくなくなる」


そっか、私そんな顔してたんだ。
そうやって心の中で冷静ぶっていても実際は痛いくらい心臓は早鐘を打っているし表情に余裕を見せることすら出来ていない。


「ごめん、そんなつもりじゃなくて…」


「そんなつもりって?」


どういうつもりだ?
ああ、もうわからない、自分でも自分が全然分からない。


掴まれていた手首がさらに強く握られた。
それからぐっと自分の方へ引き寄せられさっきよりずっと近くに顔がある。


「好きな人にそんな顔されたら理性とかそういうのぶっ飛びそうになるんですよ。知ってます?」


さっきのおどけた顔や明るい声は無くて、真っ直ぐな目が私を動けなくする。


「…先輩が悪いんですよ?」


眉を下げて力無く笑うのが一瞬見えて、次の瞬間には腕の中にいた。
けして大きくないベクも私を包み込むには十分で、胸のあたりに耳が当たり速い鼓動の音がしっかりと聞こえる。


「あと30秒で良いんで…」


ベクの表情は見えないけど、自信が無くて壊れそうな声を聞いて涙が出そうになった。


本当に私はどうしてベクじゃないのかな。
こうやって抱き締められても嫌じゃないし心地が良いのに…


本当に30秒たったのかそれ以上だったのかは分からないけどゆっくりと私の肩を掴み離された時、どうしようもなく寂しくなった。


「すみません、俺思ってた以上に余裕無い」


肩から手が離れて、そのまま自分自身の頬をバチンと叩いたので驚いて目を見開いた。


「よし、帰ります!今日は楽しかったです!また月曜日!」


「うん、また…」


突然いつもの調子で手を振られたのでつられて手を振ると、笑顔を見せてからベクは帰っていった。


暫くそのまま立ち尽くし、何度も深呼吸して自分を落ち着かせてからじゃないと動けなかった。


私はいったい何をしたいの?


ベクの言う通りだ。

全部私が悪いんだ。

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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時

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