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ほとんど寝ることが出来ないまま朝を迎えた。
いろんな感情がごちゃごちゃになって整理が追いつかない。
鏡を見た時自分のひどい顔に声を上げそうになった。
寝不足だけのせいじゃないだろう、これは。
いつもより30分早く家を出て、窓ガラスに映る自分を見て小さく頷いた。
大丈夫、完璧に化粧をしたら仮面を被った気になって気分も少し上がってきた。
そして駅に足を踏み入れたのとほぼ同時に声を掛けられ飛び上がった。
「おはようございます、今日は早いですね」
「み、ミンソクさん…おはようございます!」
そうだった、早い電車に乗るとミンソクさんと鉢合わせる可能性があるんだ。
どうせ職場で会うことにはなるのだけど、もう少し心の準備をしておきたかった。
「今日は早く目覚めたんで…はは」
無意味に笑っていることに気付いて口を噤んだ。
どうしよう、ミンソクさんの顔が上手く見れない…。
「水族館昨日行ったんですよね?」
「あ、はい!行ってきました!」
あの人の事を見かけたと言ったらミンソクさんはどんな反応をするのだろうか。
もちろん口には出さないけれど。
「久しぶりだったからはしゃいじゃいましたよ〜ありがとうございました!」
「楽しかったなら良かったです」
ミンソクさんはそう言いながら微笑んでいる。
本当はあの人と2人で行きたかったんだろうな。
2人はきっと家でしか会うことが出来ないんだ。
でも、同情なんてしない。
どんな理由であんな関係を続けているのかは分からないけど世間一般的には良いことでは無いはずだもん。
いつもより早い時間だと朝の電車も座れるので早く家を出るのも良いかもしれない、と思いながら電車に揺られていると寝不足がたたっていつの間にか眠りに落ちた。
妙に暖かくて気持ちが良い。
なんだか良い香りもする気がする。
「Aさん」
やたら近くで声が聞こえて、一気に覚醒した。
そして自分がミンソクさんに寄り掛かっていた事に気が付いて飛び上がってそのまま立ち上がると驚いた顔をしたミンソクさんが私を見上げた。
「えぇ!?え、やだ、ごめんなさい…!!」
「ちょ、落ち着いてください…!」
ミンソクさんが唇の前に人差し指をあてて左右に目を走らせた。
我に返り自分も周りを見ると、視線が私に集中していた。
恥ずかしくて顔を上げられないまま電車を降りて、隣で肩を震わせて笑うミンソクさんに余計に顔が熱くなるのを感じた。
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K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね!どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね!私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは!わー、ミンソクさん派!ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます!ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ! (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません(笑) (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2018年3月15日 18時