・ ページ21
｢あー！まってこっち！｣
｢いてえ！ちょ、引っ張るの無しですって！｣
｢見てほら、2時半にイルカのショーやるって！｣
｢はいはい、行きましょうね｣
結局は純粋に水族館を楽しんでいた。
小学生ぶりの水族館でテンションが上がりっぱなしの私に呆れたように笑うベクも楽しんでいるように見える。
水槽の中を泳ぐ魚たちをみて感嘆したり、時にはくだらないことを言い合って笑い合う。
ベクとそうすることがこんなにも違和感を感じないことに正直驚いた。
もっと気まずくなるかと思っていたから。
｢先輩、前の方で見たいならそろそろショー行った方が良いかもですよ｣
｢じゃあ行く！どうせなら近くで見たいし｣
会場に入るとベクの言う通り少しずつ席が埋まってきていた。
それでも2列目に座ることが出来て、雑談をしながら始まるまでの時間を過ごした。
横目でベクを見るとパンフレットを真剣に見ているところ。
喉元まで出かかった言葉をしまい込み、すぐに前を見た。
｢あー楽しかったー！｣
｢いや、楽しかったけどめっちゃ濡れた！｣
ショーが終わったあとは2人して思い切り水をかぶって、笑いながら会場から出た。
ベクがこういう時に怒ったりする人じゃなくて良かった。
人と接する事が苦手だった私は誰かと一緒にいると息苦しさを感じたりすることもあるけどベクにはそれを感じたことが1度もないんだ。
｢ひと通り見終わりましたよね？なんかもう1回見たいとことかあります？｣
｢うーん…｣
考えている時に視界に入って来た人に一瞬で目を奪われた。
どうしてこんな所でまで…
｢どうかしました？｣
表情の変化に気が付いたのかベクが不思議そうに尋ねてくる。
けれど私はその人から目が離せない。
｢あ、あの人｣
私の視線を辿ったベクも気付いたらしい。
ミンソクさんの部屋に出入りしている女の人。
偶然がこんなにも続くことある？
水族館のチケットの使用期限は今月末だった。
日曜なら今日いかないともう使えない。
もしかして、ミンソクさんがあの人にもチケットを？
それともミンソクさんもここにいる…？
嫌な鼓動の速さを落ち着かせようと笑ってベクに声をかけた。
｢すごいね、また偶然会ったよ｣
｢ちょい待ってください、思い出せそう…｣
眉間にシワを寄せながら考え込むベク。
どうして見覚えがあったのか思い出せそうみたいなのでおとなしく待つことにした。
なんだか胸の奥がざわざわする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 981人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
K(プロフ) - ソルさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(;_;)ミンソクさん派も多いのですね！どちらとのハッピーエンドなのか、楽しんで読んでもらえると幸いです(^_^) (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ゆなさん» ベクペンさんなのですね！私なら選べないです、どちらとも幸せになりたいです...笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - きらさん» こんばんは！わー、ミンソクさん派！ベク派が多いと思ってたのでなんだか嬉しいです(>_<)どちらとも幸せになれれば良いのに...と作者なのに悶々としてます笑 (2018年5月24日 20時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - いつも楽しく拝見してます！ミンソクさんとハッピーになってもらいたいなって思いますっ！ (2018年5月20日 23時) (レス) id: 0f050d23ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - ベクペンだけど、選べません（笑） (2018年5月20日 4時) (レス) id: 2f6c46c71c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：K
| 作成日時：2018年3月15日 18時
