アタリマエ ページ10
ベクの社交性の高さと愛想の良さのおかげで今までよりもずっと店舗の雰囲気が良くなった。
薬局長も楽しそうだし先輩も話し相手が増えて嬉しそう。
1週間が経ったけれど、今のところなんの問題も無く仕事が出来ているみたい。
それと、あれから帰りはミンソクさんと帰るのが当たり前になった。
家があれだけ近ければ別々に帰る理由も無いのだけど。
｢あ、Aちゃん、そろそろお店考えないと｣
｢え？お店？｣
｢歓迎会だよ歓迎会〜！去年Aちゃん来た時もしたでしょ？｣
そうだった、新しい人が来る度に歓迎会をするんだ。
会社のお金でただ飲み出来るんだからもっと飲めー！って先輩にたくさん飲まされて潰れた思い出が…
｢そうでした！先輩のおかげで次の日は頭痛が…｣
｢やだもーごめんってば！｣
豪快に笑いながら背中をバンバン叩かれながら笑った。
ほんと嫌味がなくて好きだ。
先輩といて嫌な気分になったことが無いもん。
｢ミンソクくんと帰り道一緒なんでしょ？好きなものとか聞いといて！ベッキョンくんにも！｣
｢わかりました！皆で飲みに行くの久しぶりですよね〜｣
薬局長も先輩も家庭があるからこういう機会じゃないと飲みに行ったりすることも滅多にないので嬉しくて相当にやにやしていたらしく肘でつつかれた。
｢で、どうなのよ｣
｢え？何がですか？｣
｢ミンソクくんとベッキョンくん。どっちがタイプ？｣
にやりと口の端を上げて笑う先輩に呆気にとられ、それから吹き出した。
｢何言ってるんですか〜すぐそんな話したがる！仕事仲間として見てますもん、タイプとか無いです｣
｢どーかなー？ま、おばさんは暖かい目で見守っててあげる〜｣
わざとらしく呆れたような顔をしてみせると楽しそうに笑っていた。
掃除をしているミンソクさんとベクをちらりと見てみると何やら楽しそうに会話しているところ。
すぐに目をそらして自分も掃除をする手を進めた。
掃除を終えて着替えを済ませると当たり前のように待っていてくれたミンソクさんにお疲れ様です、と声を掛けた。
｢帰りますか｣
｢帰りましょー！｣
｢はは、元気だなぁ｣
｢元気なことが取得なんで｣
良いことだ、と言いながら私が靴を履き替えるのを待っているミンソクさんを見上げると目が合い、微笑まれた。
…今のはちょっと、ちょっと、アレですよ。
きっと今こうやって一緒に帰ってくれるのもフリーだからなんだろうな。
今だけの贅沢だけだね、これは。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
