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ミンソクさんが買ってきてくれたレトルトのお粥を食べて薬を飲んだあとはもうさっさと寝ろと言わんばかりに布団を被せてくるのでおとなしく目を閉じた。
きっと今ミンソクさんはどこで寝るんですか？なんて言ってもどうにもならないから黙っておこう。
今度お詫びとお礼をうんとするんだ。
｢朝に1度起こすので、それまでは何も気にしないで寝ててくださいね｣
とても優しい声色。
目を開けなくてもどんな表情をしているのか想像が出来そうなくらい。
なんだか涙が出そうだったので目を閉じたまま小さく返事を返した。
｢おやすみなさい｣
ミンソクさんの少し高めの声には返事をしなかった。
自分から離れていくのを感じてゆっくりと目を開くと薄暗い部屋の中に既にそこにはいないミンソクさんを感じた。
シーツの香りがたぶん、ミンソクさんのにおいなんだ。
柔軟剤のいい香り。
締め切っていないドアの隙間から聞こえる生活音。
そこに普段は見ることのできないミンソクさんがあると思うと妙にドキドキする。
薬のせいで重たくなる瞼に逆らうことをせずに再び目を閉じると目の端から暖かい涙が顔の横をつたった。
さっきから堪えていたこの涙はなんだろう。
何の涙？
ミンソクさんは優しくて、仕事も出来て、おまけにかっこよくて。
こんなに完璧な人なかなかいない。
少なくとも私が今まで見てきた人の中では1番完璧。
でもミンソクさんが優しいのは私だからじゃない。
きっと誰にでもああやって優しく出来る人。
それになんとなく、ミンソクさんには女の人の影を感じるんだ。
女の人への扱いが自然だし、やっぱりあの時の電話はきっとミンソクさんにとって大事な人な気がする。
こうやって近付いた気がしても私はミンソクさんのことをほとんど知らない。
たぶん、必要以上に自分を見せないようにしてる。
確実に壁を作っているんだ。
だから余計に知りたくなってしまう。
もっともっと近くに行けば、その見えない壁もいつか壊せるのかもしれないなんて浅はかなことも考えてる。
そんなの無理なんだろうって本当は分かってるのに。
こんなのもう、どう考えたって。
ミンソクさんのこと…好きだよね？
男は単純だって良く言うけど、女だって単純なんです。
もうきっと、どうにもならないんだろうな。
さっきの涙の理由は、叶わぬ恋をしてしまった自分への慰めかな。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
