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そこからドアの前で一悶着があった。
私はそんなことまでお世話になれないからホテルを取るから大丈夫だと言い、ミンソクさんは今の私を1人にすること自体本当は反対だった、弟や友達のところに行かないならうちに来れば良い、と。
そもそも同じ職場の年下の女を家にいれるなんて、どうなの？
ミンソクさん的にはアウトじゃないの？
なんの気もないからアリってこと？
混乱と動揺と体調の悪さで目眩がしてきた。
どうすれば良いんだ？
｢もし貞操の心配をしているなら安心してください、流石に俺はそこまで落ちてないんで｣
｢て、貞操って…！それはミンソクさんだしもちろん心配はしてませんけど…！｣
慌ててそう言うと眉をぴくりと上げてふうん、とため息混じりに息を漏らすとドアから背中を離した。
｢じゃあ行きますよ｣
そう言って歩き始めたけれど私はどうしてもそこから動けなくて背中を見つめていると顔を顰めて振り返った。
｢頑固だなぁ｣
すっと伸びてきた手は私の手首を捉えて軽く引き、自然と動いた足はそのままミンソクさんの少し後ろをゆっくりと歩き始めた。
私がちゃんと着いてくると分かると手首を離してすうっと唇を横に引いて微笑んだ。
駄目だ、やめて、そんな顔で微笑まないで。
危ないから本当に。
暫く歩いているとおかしくなりそうなくらい速くてうるさかった鼓動も悪化していく体調に掻き消されていく。
どうやら思っていた以上にひどいみたいだ。
自分の家から歩いて5分と少し。
どうやらミンソクさんの家に着いたらしい。
そして初めて私を送ってくれた時に良いところに住んでると言っていたけどミンソクさんの方が全然良いところに住んでるじゃないか。
少しお高さそうな雰囲気を醸し出している小綺麗なマンションを少し見上げてからゆっくりとミンソクさんの後を追った。
ここまで来てやっぱり帰ると言ってもどうにもならないと分かっていてもまだ躊躇ってしまう。
エレベーターの中では私の咳だけが響いていて、でも無言でいるよりマシだったかもしれない。
もう何がどうしてこうなったんだろう…。
気持ちの整理をするよりも先にミンソクさんの部屋の前に辿り着いてしまった。
私とは違って失くしもしなそうな革のキーケースにしまわれていた鍵でドアを開けると私に先に入るよう促すので恐る恐る足を踏み入れた。
ああ、もう後戻り出来ない。
そんな気持ちとずっしりと重たくのしかかる倦怠感だけが残った。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
