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しばらくするとやっぱりそろそろ行きますかという声が横から聞こえた。
まだ具合が良くないと言えばきっと待ってくれるだろうけれどミンソクさんにはこれ以上面倒な女だと思われたくなくて頷いた。
家までは10分。
今日ミンソクさんといられるのはあと10分しかないんだな。
｢うわ、大丈夫？｣
立った時にふらついてしまいミンソクさんが咄嗟に腕を掴み、その力強さに顔が熱くなる。
駄目だ、今日はおかしいくらいミンソクさんのことを意識してる。
｢平気です、すみませんお酒飲むのにこんな靴履いてきたから…｣
｢無理しないでもう少し座ってましょうか？｣
｢大丈夫です！あんまり外にいても寒いですし｣
心配そうな顔を私へ向けながらゆっくりと腕から手を離す姿はなんだかトランプタワーを作っている姿を連想してしまった。
そんなに脆そうだろうか…
歩いている途中着信が入ったのでポケットからスマホを取り出すとベクの名前が暗闇に浮かび上がった。
さっきまで一緒にいたのに、どうしたというのだろうか。
｢ベッキョニ？｣
｢はい…出ても大丈夫ですか？｣
｢どうぞ｣
薄く微笑む顔から無理矢理視線を外し小さく咳払いをしてから指を滑らせた。
｢もしもし？｣
『突然すみません、今良いですか？』
｢どうかした？｣
『大丈夫だったかなって思って』
やっぱりさっきは私を気遣ってくれてたんだ。
年下に庇われるなんて情けないな。
｢大丈夫だよ、ありがとう｣
『さっきお店で先輩に会ったって聞いて驚きました…それで途中から様子おかしかったんですね』
いつも通りにしていたつもりだったのに…どうして私のことをそんなに気にしてくれるの？
嫌われて、避けられて当然のことをしたというのに。
『先輩？大丈夫ですか？』
沈黙が続いたせいで心配になったのか不安そうな声が電話口から聞こえてハッとした。
それと同時に心配そうな表情をしたミンソク先輩と目が合ったので口元にそっと笑みを浮かべた。
｢飲みすぎただけだよ、大丈夫｣
『先輩』
｢ん？｣
『…いや、今度話します、電話じゃなくて』
電話越しでも真剣な顔をしているのがわかる声色だ。
小さく深呼吸をして分かった、と短く返事をした。
いつまでもこのままではいられない。
再び出会ってしまったからにはあの日のことに向き合わなきゃいけないんだから。
分かっててもその日が怖くて。
止まらなくても良い。
でも、時間がゆっくりと進めばいのにと願った。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
