ホントのこと ページ12
駅でベクに手を振り2人になった帰り道。
もはや日常と化したそれに先程よりよっぽど安心した。
それから少しの沈黙が続いてふと思い出したことを口にした。
｢ミンソクさん、さっきの電話は折り返さなくていいんですか？｣
｢あ〜はい、あとでします｣
｢でも急ぎかもですよ？｣
そう言うとミンソクさんはなんともいえない微笑みを浮かべた。
分かってるよ、余計なお世話だってことくらい。
ただ、ミンソクさんにあんな顔をさせた人がどんな人なのか気になったから。
それが女の人ならなおさら気になる。
｢いえ、あとで大丈夫です｣
｢ですよね｣
そう言うくらいなら聞かないでくれと思われてることは承知だけど余計なことまで口走ってしまうのが私なんだ、仕方が無い。
諦めてくだい、ミンソクさん。
｢すみません、めんどくさいですよね私｣
ミンソクさんは一重にしては大きい瞳を丸くし、私の問いかけには口を開こうとはしなかった。
どう答えるべきか迷っているのかもしれない。
｢あ、私今日本屋さんに行きたいので次で降りますね！｣
｢え？今からですか？｣
｢好きな作家さんの本が発売になったんですよ〜！ミンソクさんは本読みますか？｣
｢いや〜全然…言われてみたらここ数年読んでないかも｣
過去を思い出すように上の方を見ながら顎を人差し指でトントン叩く仕草を見てこっそり笑った。
ふとした時凄く可愛いんだよなぁ、ミンソクさん。
暫くすると電車が停車したので立ち上がった。
ミンソクさんは必然的に私を見上げるのだけどやっぱり可愛くて自然と頬が緩んだ。
｢お疲れ様でした！明日はゆっくり休んでくださいね｣
｢Aさんも｣
会釈するミンソクさんに軽く頭を下げて電車から降りた。
振り返らずに歩き進め、電車が動いてからミンソクさんが乗っていた車両を見た。
本屋さんに行くのは今日ではなくても良かったんだけど、きっと今日は私といたくなかっただろうから。
小さくため息を吐き出して本屋へ行くために足を進めた。
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K(プロフ) - さえさん» そう言っていただけるととても嬉しいです(;_;)コメントもたくさんくださって本当に力になっています！ありがとうございます！！ (2018年3月15日 18時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - グロリオサさん» 他の作品も読んで下さっているんですね、ありがとうございます…！ありがたいうえに私には勿体無い言葉ですがとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月15日 18時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - 暗いとか思ったことないです！切なさもあり心温まるストーリーを書かれるkさんの言葉の紡ぎ方がとても大好きです！更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年3月14日 0時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
グロリオサ(プロフ) - Kさんが書くお話はどれも切なくてハラハラしながら時間を忘れて読んでしまいます。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (2018年3月13日 17時) (レス) id: e0624b2322 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ケイカさん» コメントありがとうございます！私にはもったいないお言葉…(;_;)もう少しお話は続きますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月13日 7時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2018年1月31日 22時
