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チャンさんの目から逃れる事が出来ずにいると、チャンさんの方から少し視線を逸らした。
珍しいそれにほんの少し動揺した。
｢僕がしたいと思っていたことを全部“彼”を利用して、してきました。こんな事言ったら軽蔑されると思っていたから言うつもりなんて少しも無かったのに｣
｢それって…｣
｢そうですよ。あれは演技なんかじゃない。僕がしたいからしていた。パクさんにかけた言葉も、してきた事も全部…僕の気持ちだ｣
最後はしっかりと私の目を見ていた。
それだけで、その言葉が嘘なんかじゃないって思える。
けれど信じ難かった。
そうだったとしたら、チャンさんは私を…
｢はっきり言いますね。僕はパクさんのことが好きだ｣
ああ、もう駄目だ。
どうしてこんなにも真っ直ぐでいられるんだ。
私とは違いすぎる。
違いすぎて、そして、私はこの人の事が
｢パクさんは？パクさんは全部、演技だった？｣
真剣な瞳の中に、不安が見え隠れしていた。
私が演技であそこまで出来るわけない。
｢私、演技は大の苦手なんです｣
可愛げのない言葉の上に素直じゃない。
演技なんかじゃない、あれは全部、私の意志だった。
そう言えば良いのに。
気付けばチャンさんの腕の中にいた。
暖かくて、安心するのは変わらない。
けれど前とは違うものもそこに感じていた。
お互いの中にあった少しの遠慮が取り払われたから、なのかもしれない。
｢もっと聞きたいことは沢山あるし言いたいことも沢山ある…けど、今は、我慢したくない｣
耳元で聞こえる声に余裕はあまり感じられなかった。
私にも余裕は無かった。
しがらみも何も無くなった今、私たちを抑えるものは何も無い。
今はただ、その腕できつく抱きしめて欲しい
激しく抱かれたい。
チャンさんだけを感じていたい。
求め合うようなキスは今までと違って息苦しくなるくらい激しくてすぐに頭がぼうっとしてくる。
舌が首から胸の先端まで這っていき、どんどん自分の声も大きくなっていく。
我慢がきかなくなってきた。
前までは羞恥心が大きくてなんとか抑えようとしていたものが解放されたかのように溢れ出してくる。
｢A…｣
パクさんではなくてAと呼ばれたことで、“彼”の存在が頭をよぎり少し強ばった。
それに気付いたのかチャンさんは私にさっきとは違う優しいキスをして頭をそっと撫でた。
｢“彼”はもういないよ｣
私はもう、チャンさんしか見えなくなった。
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K(プロフ) - さえさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しいです(T_T)私もさえさんが大好きですー！笑ありがとうございます、またどこかでお会い出来ると嬉しいです(^o^) (2017年10月18日 21時) (
レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リコさん» コメントありがとうございます！お気に入りだなんて嬉しすぎます(T_T)こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - satoetu61さん» 初めまして！ドキドキしながら読んでくださっと聞いてとても嬉しいですー！いつかまたイーシンさんのお話もかければ良いなとは思っているので気長にお待ちください(^o^) (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきでしたー！キュンキュンしっぱなしでした！更新お疲れ様でした。 (2017年10月17日 3時) (レス) id: cd64ed3849 (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - ずっと読ませていただいてました！私のちょ〜お気に入り作品です★ありがとうございました！！ (2017年10月16日 22時) (レス) id: ad5f71dec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年6月13日 23時
