35page ページ35
投下された爆弾のせいでその後は原稿が手につかず文字を打っては消してを繰り返した。
人間味が無かったは認める。
色んな顔が見れるも不本意ながら認める。
でもどうしてそこから付き合えばいいのにに繋がるんだ？
最後に言いかけた言葉はなんなんだ？
考えてもわからないのに気付いたらこの事ばかり考えてしまうのでパソコンを閉じた。
きっと今日は駄目だ、集中出来ないし明日が締切なわけでもないからやめよう。
凝った肩を回して立ち上がるとミンソクさんの方がやってきてトレーを下げてくれたのでお礼を言うと会釈が返ってきた。
｢お疲れですか？｣
｢いえ、なんだか急に進まなくなってしまったので今日はこの辺にしておこうかと思って｣
｢帰るのなら少し心の準備しておいた方が良いかもですよ〜｣
謎の言葉に首を傾げた。
心の準備って？
家に帰るのにそんな準備必要だろうか。
｢ありがとうございました、お気をつけて｣
微笑んで軽く頭を下げるミンソクさんにこちらも頭を下げて店を出た。
謎の言葉にモヤモヤとしながら家に着いた時に見えた人物にさっきの言葉の意味をすぐに理解した。
チャンさんがエントランスの前に立っているではないか。
どうして？
今日は来る予定では無いはずなのに…
立ち止まっているとこちらに気付いたチャンさんが片手をあげたので距離を縮めた。
｢お疲れ様です〜進み具合はどうですか？｣
…原稿の進み具合の確認ならメールでも何でも良い筈なのにどうしてわざわざ？
しかも連絡も無しに来るなんて私がいつ帰るかも分からないのに。
｢…いつから居たんですか？｣
｢んー、いつだっけな｣
はぐらかすところを見ると結構前から居たのではないかと思った。
もう肌寒いのに風邪でもひいたらどうするつもりだったのだろうか。
｢とりあえず上がってください｣
私のせいで風邪をひかれたら後味が悪いから。
ただ、それだけだ。
エレベーターに乗っている間は特に話すことも無く、目線の行き場はそろって上の階数を示す小さな明かり。
今日は進み具合のチェックだけをしに来たのだろうか。
それとも前に言っていた体調の確認？
それとも……？
エレベーターから降りて並んで歩いているとチャンさんが突然私の腕を掴んだので驚いて振り向くと薄く微笑む顔におもわず見蕩れた。
凄く綺麗に笑うから。
｢今日は“彼”になるために来ました｣
心のどこかで期待していた私は、その言葉を拒む事なく部屋へ招き入れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 815人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「EXO」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
K(プロフ) - さえさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しいです(T_T)私もさえさんが大好きですー！笑ありがとうございます、またどこかでお会い出来ると嬉しいです(^o^) (2017年10月18日 21時) (
レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リコさん» コメントありがとうございます！お気に入りだなんて嬉しすぎます(T_T)こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - satoetu61さん» 初めまして！ドキドキしながら読んでくださっと聞いてとても嬉しいですー！いつかまたイーシンさんのお話もかければ良いなとは思っているので気長にお待ちください(^o^) (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきでしたー！キュンキュンしっぱなしでした！更新お疲れ様でした。 (2017年10月17日 3時) (レス) id: cd64ed3849 (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - ずっと読ませていただいてました！私のちょ〜お気に入り作品です★ありがとうございました！！ (2017年10月16日 22時) (レス) id: ad5f71dec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：K
| 作成日時：2017年6月13日 23時
