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週に3回はカフェで原稿を進めていて、以前より遥かに外出する頻度が増えた。
と言っても家からこのカフェに来る道程は変わらず同じ場所を往復しているだけ。
チャンさんとの打ち合わせがあるのでカフェに向かい、いつもの道を通ろうとしたけれど歩道の工事をしていて遠回りをすることになった。
普段は通らない駅の前を通り過ぎようとした時、突然後ろから肩を叩かれて柄にも無くびくりと肩を震わせ振り返ると、肩を叩いた本人まで少し驚いたような顔をしていた。
｢A、久しぶり｣
下の名前で呼ばれること自体、久しぶりだった。
仕事の付き合いばかりしていると名前を呼ばれることなんてほとんど無い。
そんな私を名前で呼ぶ人なんて、片手で足りるくらいだ。
｢何か用？｣
｢うわ、冷たいな〜。せっかく久しぶりに会えたのに｣
なんだ、そのあたかも私に会いたかったかのような言い草は。
聞いて呆れる。
｢これから仕事なの。用がないならもう良いでしょ？｣
｢小説まだ書いてんの？｣
｢だったら何か？｣
｢いや、知ってるよ本屋でよく名前見るし？でも俺はAのデビュー作しか知らねえからさ、どんなもん書いてんのかな〜と思って！今もああいうの書いてんの？｣
ヘラヘラと笑う顔が癪に障る。
思い出したくない過去が蘇ってくる。
何も答えずに背を向けてカフェへと向かうとまだ何か言い足りないのか待ってよ、なんて声を掛けてくるのも無視して足を進めた。
｢ねえ、もしかしてあの時のことまだ怒ってんの？ガキじゃないんだからさ〜｣
売り言葉をわざわざ買う必要は無い。
怒っているわけじゃない。
ただ、私は…―
｢いやでも俺もあの時はガキだったからあんなこと言ったけどさ、本音なんかじゃ無いよ？ほんとに｣
ああ、本当に癇に障ることばかり言う。
見え見えだ、私の名前を欲しがっているのが。
｢今彼氏いんの？実は俺今彼女いなくてさ…久しぶりに会ったらやっぱお前なのかもって思って｣
流石に何か言ってやろうと振り返った瞬間、忌々しい男の少し後ろに戸惑ったような表情で立ち止まっている人が目に入った。
｢あ…どうも｣
私と目が合うと決まりが悪そうに頭の後ろを無意味に撫でながら独特な四角い口を見せ笑いながらそう言った。
カフェの店員さんだ。
｢誰？｣
明らかに声のトーンが低くなった男。
それを見て店員さんは何を思ったのか
｢彼氏です彼氏！｣
と、口走った。
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K(プロフ) - さえさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しいです(T_T)私もさえさんが大好きですー！笑ありがとうございます、またどこかでお会い出来ると嬉しいです(^o^) (2017年10月18日 21時) (
レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - リコさん» コメントありがとうございます！お気に入りだなんて嬉しすぎます(T_T)こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！！ (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - satoetu61さん» 初めまして！ドキドキしながら読んでくださっと聞いてとても嬉しいですー！いつかまたイーシンさんのお話もかければ良いなとは思っているので気長にお待ちください(^o^) (2017年10月18日 21時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきでしたー！キュンキュンしっぱなしでした！更新お疲れ様でした。 (2017年10月17日 3時) (レス) id: cd64ed3849 (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - ずっと読ませていただいてました！私のちょ〜お気に入り作品です★ありがとうございました！！ (2017年10月16日 22時) (レス) id: ad5f71dec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年6月13日 23時
